解体工事後の「整地（せいち）」はどんなイメージをお持ちでしょうか？
すぐに家が建てられそうな、平らできれいに整えられた土地をイメージするかもしれません。
しかし、実際の解体工事後の土地は、きれいな状態ばかりではありません。さらに、解体工事後の土地の状態は、その後の予定に大きな影響があります。
新築を建てる、土地を売却する、地主さんに土地を返却するなど、工事後の予定がすでに決まっている場合は特に注意が必要です。
この記事では、整地方法やトラブル事例など、整地の仕上がりの違いで、その後にどんな影響がでてしまうのかを説明していきます。
更地と整地の違い
解体工事には整地という作業があります。これは、解体工事後の最後に行う作業で、土地をきれいに平らにする作業のことです。
解体工事では更地にするという表現がよく使われますが、更地（さらち）と整地は同じ意味ではありません。
更地とは、建物など建造物がない土地のことを言います。
整地とは、土地の建築や耕作などに適するように平らにならすことを言います。
つまり、解体工事後の木材・鉄くず・ガラスなどの小さながれき等が残っている状態や、放置されて樹木や雑草が生い茂った状態でも、建物がなければ更地です。このように手入れされていない土地を、使える状態にするのが整地作業です。
解体工事における整地方法
整地には、使う素材によっていくつか種類があります。
解体業者へ見積もりをとる際、どのような方法で整地をするのか確認しましょう。場合によっては、解体工事後の予定に適した整地方法のために追加費用を払う必要があります。
解体工事における代表的な整地方法をご紹介します。
粗整地
粗整地とは、解体工事後に残ったゴミやコンクリート塊を取り除いて、最後に重機で地面を踏み固める作業です。
整地に費用を掛けられない、という場合でも解体工事の工程に含まれている事が多く、追加費用を払わなくても最低限やってもらえます。
重機で転圧した粗整地の状態
化粧砂を使う整地
粗整地をした土地の上に、砂や砂利をまく方法です。
見た目がきれいになるので、土地売却が目的の整地におすすめです。
単純に見え方が変わる以外に、草を生えにくくするなどの効果もあります。
真砂土整地
真砂土（まさど・まさつち）は、見た目をよくするために使われる、化粧砂として最もポピュラーな砂です。
真砂土での整地は土地がきれいに見えるので、土地売却が目的の際によく用いられます。
化粧砂として使われる真砂土の1立方メートルあたりの単価は3,500円から4,000円前後です。西日本では多く採れるので、地域によっては解体工事の後に無料でまいてくれるところもあるようです。
真砂土を使った整地の施工前
真砂土を使った整地の施工後
砕石整地
砕石（さいせき）での整地は、解体工事が完了した土地に雑草が生えるのを防いでくれます。
また、砕石は砂利よりも角が尖っているので、地面を締め固めやすいのが特徴です。そのため、砕石をまいておけば駐車場として利用することもできます。
砕石の費用は、使う量とまく広さ、お住いの地域によって大きく変わります。
選ぶ石の大きさや種類によっても変わりますが、1立方メートルあたり、2,000円から5,000円前後です。
整地を巡るトラブル事例
整地は一般的に解体工事を行った解体業者が行います。
作業内容が不透明な解体業者に任せた場合、以下のようなトラブルが発生するかもしれません。
事例1 コンクリート塊を残して工事終了
整地の過程では、建物を壊した後のゴミやがれきを取り除きます。残ったコンクリートの塊も同様です。
ところが、いい加減な解体業者はコンクリートの塊やがれきを綺麗に取り除かずそのまま放置してしまいます。
解体工事が終了した時に、取壊した建物の基礎や床や舗装のコンクリートの塊が敷地の中にゴロゴロした状態です。
産業廃棄物として通常処分していなければならないと思うのですが、どの程度の塊の大きさなら敷地内に残してていいのか、あるいは処分するように解体業者に主張できるのか常識的なもの（基準）を教えて下さい。
引用：Yahoo!知恵袋
整地において、敷地内に残していいコンクリート塊の具体的な基準はありません。
よく使われる目安として、こぶし大の大きさ以上は取り除くべきだといわれますが、この表現も個人差があり曖昧です。
整地がどこまできれいな仕上がりを指すのか、工事を始める前に解体業者と認識を合わせておかないと後でトラブルになりかねません。
また、作業工程を聞いても具体的な方法を教えてくれない解体業者には注意が必要です。
事例2 整地のやり直しで追加費用が発生
工事後の土地がデコボコしていたり、解体工事中の廃棄物が残っていたりする場合、新築の基礎工事ができません。
この状態で基礎工事を行ってしまうと、その後、基礎が傾いてしまう可能性があるからです。そのため、ハウスメーカーや工務店は解体工事後の土地の状態を非常に気にします。
解体工事後の整地がきちんとされていないと、整地の作業をやり直すこともあります。
そうなると、整地をやり直すために再度重機を運び作業する事になります。
もちろん、ハウスメーカーや工務店からはそのための人件費や作業費を請求されてしまいます。
せっかく解体工事を終えて、これから念願の新築を建てるというのに余計な出費はしたくないですよね。解体工事後の整地状態までしっかりと確認しましょう。
整地についての質問です。
古屋の解体工事が終わり、整地をしていただいたのですが、古屋の基礎がしっかりしていたそうで、表土が全体で20センチほど削られ、土地の高さ(レベル)がそれまでより低くなってしまいました。
施工会社からは、それまでの高さ(レベル0)に合わさると、50万円ほどの追加料金がかかってしまうということです。
そのような話は、これまでの打ち合わせでなかったので驚いています。
このような、追加料金が発生することは、通常なのでしょうか？
私としては、施工会社側に確認や見積りが不足し、落ち度があるようにしか思えません。追加料金を支払う必要があるのでしょうか？
皆様の経験やお知恵をいただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。
引用：Yahoo!知恵袋
解体工事後の整地のイメージが施主と解体工事業者が同じであるかどうか確認するのは、とても大切です。
解体後すぐに家が建てられるように、駐車場になるようにきちんと整えられているはずだと判断するのではなく、解体業者とお客様の双方が同じものをイメージしているのか、しっかり確認してください。
解体無料見積ガイドは整地まで責任をもって行う業者をご紹介します
建て替え、借地返却、土地売却など、解体工事後の予定に合わせた整地作業ができる解体業者に依頼することは、非常に大切です。
これらは、解体業者が「普段からどんな会社から仕事をもらっているのか？」「今までの解体工事件数は何件あるのか？」等をホームページや解体業者に直接聞くことでわかります。
ハウスメーカーとの付き合いが豊富であれば、新築を建てるときの整地方法を熟知していて、不動産との付き合いが豊富であれば、売却しやすい整地方法を熟知していると考えられます。
