外構除去工事の費用 フェンスやテラスの処分費を解説

外構の解体工事の概要と費用相場

「解体の“外構”には、どんな内容が含まれているのだろう?」「見積りに書かれている“外構”の金額が、適正価格なのか知りたい」

解体の見積りに含まれる「外構」は、普段あまり触れる機会のない言葉です。そのため、具体的な工事内容や費用相場が分からない方がほとんどです。

そこで本記事では、外構の解体にかかる費用の相場や内訳、外構が含まれる解体の見積り実例などをご紹介いたします。

馴染みのない「外構」という言葉に戸惑われている方は、ぜひ本記事を参考になさってください。

外構除去工事の費用相場

外構とは、建物本体の周りにある工作物などのことを指します。例えば、住宅を囲っている塀や、庭、駐車場などが代表的です。

解体によって敷地を更地にする場合などは、外構の解体も当然ながら発生します。ただし、物件ごとに外構の内容が異なるため、見積りの金額はケースバイケースです。

ご自身に提示された見積りの妥当性を知るためには、外構の解体にどのような項目があり、それぞれ費用がいくらくらいかかるのか知る必要があります。

一般的によくある外構の内訳について、確認していきましょう。

外構……ブロック塀、門戸(門扉)・門柱、フェンス、テラス、カーポート、石垣・花壇、土間コンクリート、庭石・庭木、灯籠、物置

ブロック塀

ブロック塀

道路や隣家との境界に設置されているブロック塀を解体する際は、重機解体か手壊し解体のうち、できるだけ周辺への悪影響が及びづらい工法が選択されます。

例えば、隣接する建物との距離が近く重機が使用できない場合などは、手壊しが適用されます。また、現場にブロック塀を倒すスペースがない場合などは、上から1段ずつブロックを取り外すこともあります。そのため、物件によっては想像以上に手間のかかる作業となる場合があります。

コンクリートブロック塀、石積みブロック塀など、ブロック塀にはいくつか種類がありますが、当協会の調べによると、ブロック塀の解体費用総額は全国平均で10万8,750円。最も安い場合は3万6,750円。最も高い場合は22万4,000円という結果でした。

ただし、費用総額は解体するブロック塀の面積などにより異なります。1m²単位の解体費用相場は3,368円。最も安いのが2,500円で最も高いのが4,700円です。

作業日数は、重機解体だと1日~2日ほどです。解体作業そのものは1日あれば完了するケースがほとんどですが、運搬まで終えるには2日かかることがあります。手壊し解体に必要な作業日数は、3日~4日ほどです。

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門戸(門扉)・門柱

門戸・門柱

門戸・門柱は、重厚な門戸とあわせてインターホンやポストが内蔵されているケース、門柱だけ設置されているケースなど、物件によってバリエーションが様々です。そのため、工事内容にも幅があります。

門戸の解体は、門柱からの取り外しと運搬のみであることが一般的です。しかし、門柱は地中に埋めた部分をコンクリート等の基礎で固めてあるため、基礎の解体に騒音や粉塵が発生することがあります。また、撤去後は門柱を引き抜いた部分の穴を埋めるための整地作業も発生します。

解体にかかる費用の相場は、門戸が3万円~5万円ほど、門柱が8万円~11万円ほどです。門戸と門柱をどちらも撤去する場合は、それぞれの費用が合算されます。

作業にかかる時間は、半日~1日程度です。

フェンス

フェンス

目隠しや境界線の役割を果たすフェンスの解体は、はじめにフェンスが設置されている独立基礎やブロック基礎の取り壊しを行います。その後、基礎から取り外したフェンス本体と支柱の解体を行います。

独立基礎やブロック基礎の取り壊しには重機やハンマーを使用するため、騒音や振動が発生します。

フェンスの素材(アルミ製・スチール製・木製・樹脂製など)や面積によって作業の難易度が変わるため、費用に大きな差が出ることが特徴です。具体的には、5万円~20万円ほどの費用幅があります。

解体そのものは数時間で終わりますが、運搬する時間も含めると作業にかかる時間はトータルで半日~1日程度です。

テラス

テラス

テラスは、室内から屋外に張り出したスペースのことを指します。テラスの床には、コンクリート・タイル・レンガなど、様々な素材のバリエーションがあります。また、テラスによっては屋根が設置されている場合もあります。

幅3m以内の小規模なテラスの解体にかかる費用は、1万5千円~10万円と幅があります。床材の素材や柱の有無によって、作業の難易度が大きく変わるためです。また、面積が広いテラスや屋根があるテラスの場合、さらに費用が追加されます。

作業日数は、作業の難易度や工程数によって、1日で終わる場合から数日かかる場合があります。

カーポート

カーポート

カーポートとは、車を日差しや雨から守るための、壁のない車庫のことを指します。

カーポートは支柱と屋根のみで構成されたシンプルなつくりであるため、解体の際には大掛かりな工事を必要としません。撤去する際は、上から順番に分解していくのが一般的です。まず最上部にある屋根の取り外しを行い、つぎに骨組みを分解し、支柱を地面との境界で切断します。敷地を更地にする場合は、支柱が埋まってる基礎の部分を掘り起こし、地中に残っている支柱を取り出します。

車1台分のカーポート単体を解体する場合は、2~3万円ほどの費用がかかります。

ただし、カーポートの支柱が埋まっている基礎の部分まで完全に撤去する場合は、別途3万円~5万円ほどの費用が加わります。住宅の解体に伴うカーポート解体などでは「カーポート 一式 0円」という形式で、実質発生する費用がほかの費用に含まれる場合も多いです。
カーポートの解体自体は数時間で完了しますが、運搬まで含めると1日ほどかかります。

石垣・花壇

石垣・花壇

石垣や花壇は、積んである石やレンガの解体後、土の処分を行います。費用は、面積に応じて変動するのが一般的です。

1m²あたりの単価は、2万円~3万円ほどです。庭の小さなスペースにある花壇なのか、住宅を囲むように設置されている石垣や花壇なのかによって、総額は大きく変わります。

小規模な花壇の場合、解体は半日程度で完了します。大きな石垣や花壇であっても、1日あれば作業は完了します。

土間コンクリート

土間コンクリート

土間コンクリートの解体は、「クラッシャー工法」「カッター工法」「ウォータージェット工法」「圧搾機工法」など複数の工法の中から、最適な方法が選択されます。土間コンクリートには厚さや素材にいくつかのバリエーションがあり、最適な工法が異なるためです。

土間コンクリートの解体にかかる費用は、撤去する土間コンクリートの面積に応じて増加し、かつ1m²あたりの単価は厚さや内部の鉄筋の有無によって変動します。例えば、厚さ5cm(鉄筋なし)だと700円~/m²、厚さ10cm(鉄筋あり)だと1,500円~/m²と、2倍以上も費用が変わります。

土間コンクリートの解体にかかる日数は、狭い面積であれば1日で終わることがほとんどです。ただし、土間コンクリートは建物とあわせて解体する場合もあるため、日をまたいでの作業となる場合もあります。

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庭石・庭木

庭木・庭石

庭にある石や木は、業者に撤去してもらう必要があります。重い庭石はクレーンを使用して運搬車両まで移動する方法が一般的ですが、クレーンを使用できない場合などはその場で粉砕することもあります。大きな庭木は、細かい枝を切り落としてから幹の伐採を行い、根の抜根して地中から完全に取り除きます。

庭石の撤去にかかる費用は石の大きさに応じて変化しますが、「12,000円~/m²」ほどが目安です。運搬にかかる車両の台数が金額に影響することもあります。

石や木の量や大きさにもよりますが、作業は1日以内に完了する場合がほとんどです。しかし、規模によっては日をまたいでの作業となるケースもあります。

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灯籠の解体費用相場

灯籠

灯籠(とうろう)は、日本庭園や墓地などによくある装飾品です。もともと、電気のない時代に火を灯すために使われていましたが、現在も住宅の庭に装飾品として設置されていることがあります。 灯籠は、アンティークとして買い取りしてもらえることもありますが、100件につき1~2件ほどしか売れるものはなく、ほとんどの場合は石として撤去されます。

灯籠の解体にかかる費用は重さによって変動し、関東一円であれば1kgあたり30円~45円が相場です。灯籠1基の解体は、ほぼ5千円以内で収まります。解体時は庭石と同様にクレーンで吊るして車輌に運び運搬するか、現場で粉砕してから運搬するか、いずれかの方法が取られることが一般的です。

なお、灯籠の処分は1日以内に終わります。

物置

物置

まずは、物置の解体費用相場を確認していきましょう。
ここでは、一般的なスチール製の物置の解体費用を例に挙げています。

物置は、横幅+奥行+高さの3辺を合わせた長さで料金を計算します。
費用は解体費用と処分費用を合計したものですが、その他の工程が発生する場合は別途費用がかかる可能性もあります。

物置のサイズ 3辺の合計 費用
S ~400cm 15,000円前後
M 400~500cm 18,000~20,000円
L 500~600cm 20,000~25,000円
LL ~700cm 26,000円前後

なお、物置の解体費用が変動する条件として、以下が考えられます。

  • 物置のサイズ
  • 物置の材質
  • 物置の土台
  • 物置の場所
  • 物置内の残置物

条件によって、相場と異なる料金になることもあり得ます。

物置の解体そのものは、数時間で完了します。
ちなみに、小型の物置の場合は業者に依頼せずDIYで解体する方もいらっしゃいます。もしもご自身で解体する場合は、廃材を粗大ごみに出す必要があります。解体後すぐに回収してもらえるとは限らないため、回収の手配は早めに行っておくことが大切です。

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外構の解体工事の見積り例

外構の解体にかかる費用は、物件によって変わります。

例えば、物件が大きくなるほど外構の規模も大きくなり、費用が高くなることがあります。

異なる規模感の見積り事例をご紹介しますので、イメージを掴むうえでの参考になさってください。

神奈川県12坪の木造住宅

外構工事の内訳 見積り費用
庭石 2tD 40,000円
CB積み 3段×28本 33,600円
CB積み 5段×17本 34,000円
植樹伐採抜根 3tD 60,000円
合計 167,600円

上記の見積りは、12坪の木造平屋の解体の見積りから外構の項目のみを抜粋したデータです。

それぞれの項目が5万円前後で収まっており、合計もそれほど高額になっていません。

一般的な30坪前後の住宅の場合、もう少し費用が高くなる可能性があります。

神奈川県86坪の鉄骨造工場

外構工事の内訳 見積り費用
門扉・看板・土間 一式 20,000円
植樹伐採抜根 4tD 216,000円
土間・ネットフェンス H0.6×W15 36,000円
竹藪・H鋼・土留鋼板 H6.0×W20 1,020,000円
合計 1,292,000円

上記の見積りは、86坪の鉄骨造工場の解体の見積りから外構の項目のみを抜粋したデータです。

建物本体が大きく外構の規模も大きい場合は、外構の解体だけで100万円を超えることがあります。

埼玉県38坪の2階建て住宅

外構工事の内訳 見積り費用
土間コンクリート撤去 20,000円
庭石撤去 60,000円
植木・植栽撤去 67,500円
門扉・門柱撤去 20,000円
井戸解体埋め戻し費用 50,000円
ブロック塀撤去(38m²) 115,200円
合計 332,700円

敷地には門扉や門柱の他にも樹木、庭石、井戸などあり、撤去する外構の項目が多岐に渡るお家でした。

実際に外構の除去工事を行う際は、どこからどこまでを撤去するのか事前にしっかりと打ち合わせをしておくことが重要です。

可能な限り現地調査には立ち会って、見積りの項目に漏れが出ないよう進めて行きましょう。

東京都23坪の木造平屋店舗

外構工事の内訳 見積り費用
土間コンクリート撤去 30,000円
植木・植栽撤去 10,000円
屋外残置物撤去(3m³) 32,500円
残土撤去(29m³) 172,800円
合計 245,300円

外構の解体と併せて屋外の残置物を撤去した事例です。

なお、残置物の処分を解体業者に頼むと費用は割高なので、物置などに不要な物がたくさん残っていたりすると、工事費用が高くなってしまう恐れがあります。

屋外の残置物は大きくて運ぶのさえ大変、という方も多いと思いますが、余裕がある方はなるべくご自身で事前に処分しておくのがおすすめです。

千葉県66坪の木造2階建て店舗

外構工事の内訳 見積り費用
外階段撤去 50,000円
土間コンクリート撤去(150m²) 375,000円
アスファルト撤去(128m²) 292,000円
貯水槽撤去 40,000円
看板撤去 55,000円
合計 812,000円

外階段や看板、貯水槽の撤去など、別途に細かい見積りの項目が発生した事例です。

その他にもアスファルトやコンクリートの撤去が広範囲に渡りました。

外構工事では施工範囲を正しく把握していないと、後で追加工事が発生したり、間違えて撤去してしまって修復工事が必要になったりしてしまう恐れがあります。

事前に見積りの項目などを比較して漏れがないか確認しながら進めて行きましょう。

外構の解体工事についてのまとめ

本記事では、外構の解体にかかる費用の相場や内訳、外構が含まれる解体の見積り例などをご紹介してきました。外構の解体に費用がいくらかかるのか、概算を出す際の参考にしていただけたら幸いです。

なお、実際の解体の見積りでは、項目ごとに費用を計上せず「外構一式」という表記が用いられる場合があります。

「一式」で出される見積りは、経費を細かく算出するよりも割安なケースが多いものの、悪徳業者が割高に計上しているケースも珍しくありません。

もしも出された見積りを高いと感じたら、細かい内訳を業者に確認してみましょう。

なお、当協会が運営する「解体無料見積ガイド」では、最大6社の優良業者から相見積りを取得することが可能です。適正価格での解体をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。

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