解体工事の見積もりで「残置物があるから処分費用が別途にかかります」と言われて戸惑った事は無いでしょうか。
後日送られてきた見積書の金額を見て、不用品を捨てるだけなのにどうしてこんなにお金が掛かるのか、と納得できない人も多いはずです。
もし、時間に余裕があるなら、残置物は自分で処分する方が断然お得です。残置物の処分方法とポイントをおさえて、解体工事の費用を節約しましょう!
解体工事で残置物の処分費用が高額になる理由
解体業者に残置物の処分を頼むと追加料金が発生するのは分かりますが、それにしても高いと感じませんでしたか? 実は、理由があります。
同じゴミでも種類が変わる
解体業者に残置物の処分を依頼すると、解体業者は「産業廃棄物」として残置物を処分します。しかし、私たちが自分の手で処分をする場合は、「一般廃棄物」です。同じ残置物でも解体業者が処分する時と、私たちが処分する時ではゴミの種類が変わってしまうのです。
ゴミの種類が変われば処分の方法も変わります。私たちが出す一般廃棄物のほとんどは、決められたゴミの日にだせば回収してくれますが産業廃棄物はそうはいきません。
解体工事の時に出る産業廃棄物は解体業者がお金をかけて決められた処分場で処分しなければなりません。
したがって、解体業者からすれば純粋にお金をかけて処分しなければならない廃棄物が増えるので、運搬や撤去の作業賃に加えてかかった費用を請求しなければなりません。
要するに、解体業者に残置物の処分を依頼すると、費用が高額になることは避けれれないという事です。
一体いくら違うの?
依頼する解体業者によって見積りの方法は変わりますが、一般的な目安として4tトラック1台分で○万円という計算が使われます。残置物が沢山ある場合は4tトラック1台でいくらという計算はお得に感じますが残置物がごく少量の場合は勿体無いですよね。
例えば、うちは誰も住んで居なかったしほとんど残置物や家財道具は無いから4tトラックも要らない。という場合もあります。
そんな時は、45ℓのゴミ袋1袋で○百円、家財道具一つごとに○千円という個別に計算を出して処分してもらう方や、1㎥ごとに○千円とう計算方法で算出してもらう方が賢いです。
- 4tトラック1台ごとに○万円
- 1㎥ごとに○千円
- 家財道具1点ごとに○千円
- 45ℓのゴミ袋ごとに○百円
しかし、解体業者によっては個別の計算が出来ない場合もあります。依頼する解体業者にもよりますが、処分の方法や見積もりの出し方はその業者に依存するしかありません。
ただ、自分で残置物を処分すればほとんどは無料で処分できますし、大きな家財道具も数百円程度で処分する事ができます。その為、残置物の処分を自分でやる事は解体工事の費用を安く抑える事に繋がります。
自分で残置物を処分する時の方法
残置物は自分で処分した方がいいと分かっていても、肝心の処分方法が分からなければ手が付けられません。
もちろん、ゴミの日に全部出してしまえばいいという事でもありません。残置物などの不用品はいくつかの種類に分けられ、正しく処分する必要があります。
残置物の種類と特徴を把握しよう!
空き家に残った残置物は種類ごとに分けると、処分する時のイメージがしやすいです。残置物の種類を以下の表にまとめてみました。
種類 | 残置物の項目 |
---|---|
日用品 | 燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミetc |
家電製品 | エアコン、洗濯機、冷蔵庫、テレビ |
パソコン | ノート型を含むパソコン本体、液晶ディスプレイ |
粗大ごみ | タンス、布団、机etc |
残置物は種類ごとに合った方法で処分しましょう。ここでは残置物を4つの種類に分けてそれぞれの処分方法を紹介します。
種類別の処分方法と注意点
日用品
処分費用の目安 | |
---|---|
解体業者 | 4tトラック1台分で○万円 or 45ℓのゴミ袋毎○百円 |
自分で処分 | 基本的に無料 |
日用品や生活ゴミは各市区町村のゴミの日に合わせて出す事ができます燃えるゴミ・燃えないゴミ・資源ゴミなど地域ごとに決められた方法で分別して出して下さい。
家電製品
処分費用の目安 | |
---|---|
解体業者 | 4tトラック1台分で○万円 or 1点○千円 |
自分で処分 | 1点当たり1052円~ |
家電製品というと種類は多いですが、残置物の処分で注意してほしい家電製品はテレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの4種類です。この4種類の家電製品は家電リサイクル法で処分の方法が決められています。処分方法はいくつかありますが、ここでは一番費用が掛からない方法を紹介します。
最低限の費用で家電製品を処分する方法
最低限の費用で家電製品を処分する方法は、郵便局で家電リサイクル料金を支払って、指定されている引き取り場所に持っていく方法です。
まず郵便局で家電リサイクル券をもらい、処分する家電のメーカーと大きさを記入して料金を振り込みます。リサイクル料金は家電の種類、メーカー、大きさによって変わります。
家電リサイクル料金一覧
エアコン | 972円~ |
テレビ | 1386円~ |
冷蔵庫 | 3672円~ |
洗濯機乾燥機 | 2484円~ |
参考:家電製品協会
振込の際にはリサイクル料金以外に、振込手数料がかかるので注意して下さい。(窓口130円 ATM80円)振込が完了したら指定の引き取り場所を確認して、処分する家電製品を持ち込みます。
パソコン
処分費用の目安 | |
---|---|
解体業者 | 4tトラック1台分で○万円 or 1点○千円 |
自分で処分 | 0円~ |
家電製品と同じようにパソコンの処分にも注意して下さい。パソコンと液晶ディスプレイはPCリサイクル法の関係で、粗大ごみとして出すことができません。
- プリンター
- スキャナー
- パソコン周辺機器
- ノートパソコン
- デスクトップパソコン
- 液晶ディスプレイ
パソコンを処分する時に注意してほしい事はデータをきちんと消去する事と、費用をとにかくかけない(というか無料で処分する)という事です。
データの消去は必須
うちのパソコンは大した事に使ってないしデータの処分なんて必要ない、と考える人もいるかと思いますが名前や住所、クレジットカードの暗証番号など大事な個人情報が残っている可能性があります。
処分の時には十分に注意して下さい。
無料買い取りはウソ?
無料でパソコンの買い取りをうたっているリサイクル業者や家電量販店がありますが、実際の所は壊れているパソコンや、自作のパソコンは回収してもらえない場合があります。
わざわざ店頭まで持って行っても結局引き取ってもらえなければムダ足になってしまいます。店舗で回収してもらう場合は、事前に調べて確実に回収してもらえる確認をしてから持ち込むことをオススメします。
安全かつ無料でパソコンを処分するには
パソコンを処分する事が決まったら処分するパソコンに「PCリサイクルマーク」が無いか調べて下さい。パソコンの裏や、製造番号付近にあることが多いです。
PCリサイクルマークがあるパソコンはメーカーに無料で引き取ってもらえます。送料もかからず、着払いで送る事が出来ます。 メーカーであれば、データの消去まで確実にやってもらえるので安心ですね。しかし、PCリサイクルマークが無い場合は同じメーカーでも3,000円前後の処分費用が掛かってしまいます。
PCリサイクルマークが無い場合は、ヤマダ電機のパソコン買い取りサービスがオススメです。
壊れていても、古い型でも回収してもらえて、データの消去まで無料でやってもらえます。しかも佐川急便を使えば送料も無料です。
粗大ごみ
処分費用の目安 | |
---|---|
解体業者 | 4tトラック1台分で○万円 or 1点○千円 |
自分で処分 | 1点○百円~ |
残置物の処分で一番重要なのが粗大ごみです。粗大ごみは処分の方法が地域によって変わりますし、一般の家庭ごみに比べて処分に手間がかかります。
でも、手順を抑えて自分で処分できれば1点当たり数百円から処分できるので圧倒的に安く処分できます。
粗大ごみの定義
粗大ごみの定義は各地域によって変わります。 多くの地域では大きさを基準にしていて「縦、横、高さのうちいずれか一辺が何センチメートルを超えると粗大ごみになります」というのが一般的です。
テレビ・エアコン・洗濯機・冷蔵庫などの家電リサイクル法対象の品目とパソコン以外の大型のゴミが粗大ごみになると考えて下さい。
粗大ごみを出す為の3ステップ
粗大ごみを出す手順は大きく分けて3つです。
- 粗大ごみ受付センターに電話をする
- ゴミ処理券を購入する
- 指定日にゴミを出す
粗大ゴミとして出すものが分かったら一番最初に受付センターに電話して指定場所と時間の申し込みを済ませます。受付センターの申し込み無しに、勝手に指定場所に置いておいても回収してもらえません。
なお、申し込みはインターネットからでもできますが、粗大ごみの大きさや素材によってで購入するべきゴミ処理券の金額は変わるので、不安な方は最初に受付センターに電話で確認して、申し込みも一緒に済ませるのがお勧めです。
受付を済ませたら次にゴミ処理券を購入します。
写真は東京都杉並区のごみ処理券ですお住いの地域に合わせてゴミ処理件を購入して下さい。ゴミ処理券はコンビニで購入する事ができます。必要分を購入して粗大ごみに貼り付けます。最後に、申し込みをした指定日に粗大ごみを出して作業完了です。
残置物の処分をする時に知っておきたい事
残地物を自分で処分すると決めている方に、絶対に抑えておいて欲しいポイントがあります。
解体業者に無料で処分してもらえる残置物がある?!
実は、解体業者に処分を依頼しても無料、もしくは格安で処分してもらえる残置物があります。 それは、金属・プラスチック・木材の3つです。
この3種類に関しては解体工事の時にでる廃材と合わせて産業廃棄物として処分が可能なので解体業者にお願いしたほうがお得に処分できる場合があります。
業者による所なので必ず安くなるとは言えませんが交渉してみる価値はありますよね。
- 金属
- プラスチック
- 木
見積り0円の不用品回収業者に注意
解体業者に依頼すると処分費用が高額になるのは、ゴミの種類が産業廃棄物に変わってしまうからでしたよね。それなら、不用品の回収を専門にやっている業者なら安く回収してくれるのではないか?!と考えつきませんか?
でも実際は、不用品回収業者に依頼する場合は注意が必要です。不用品回収業者の中には無許可で営業をしている会社もあり、不法投棄などをして料金を安く抑えている場合もあります。
また、家のポストに入っていた「不用品見積り無料」というチラシに問い合わせてみると、実際無料で見積もりをしてもらえるのは最初の1点だけであとは見積りも有料だったという話もあります。全ての業者が悪徳業者ではありませんが、不用品回収業者を選ぶ際には注意が必要です。
まとめ
残置物を処分するにはまずどれくらいの残置物が残っているのか把握するところからはじまります。どれくらいの残置物があるのか実際に目で確認してみると具体的な計画が立てやすくなりますね。
まずは、実際にどれくらいの残置物があるのか一度確認してみて下さい。