この記事でわかること
- 出雲市今市町の大規模火災で25棟の解体に5,500万円かかる理由
- 火災から3か月後に解体・がれき撤去が始まった背景
- 解体後に検討される防災対策
島根県出雲市今市町で25棟が焼損した大規模火災から3か月が経過し、被災建物の本格的な解体とがれき撤去工事が始まりました。総額約5,500万円の工事費のうち、約2,800万円はクラウドファンディングで集まった支援金が充てられます。
本記事では、大規模火災による25棟の解体に5,500万円かかる理由や、火災から3か月後に解体・がれき撤去が始まった背景、解体後に検討される防災対策について、専門家の視点からわかりやすく解説します。
ニュースの概要
- 発生場所:島根県出雲市今市町
- 報道日:2026年9月25日
- 対象:出雲市今市町のアーケード商店街・サンロードなかまち
- 事案:島根県出雲市今市町で6月23日に発生した大規模火災で、被災した住宅や店舗など25棟の解体・がれき撤去工事が始まった。工事費は約5,500万円で、年内の完了を見込んでいる。
島根県出雲市の中心市街地で6月23日に発生した大規模火災から3か月。火災現場では、24日から本格的な被災建物の解体工事が始まりました。
引用:「復興への道筋を立てていきたい」 出雲市今市町大規模火災 本格的な解体・がれき撤去工事始まる|山陰放送
25棟の解体に5,500万円かかる理由
5,500万円は25棟の解体費として高いのか?
今回の工事費(事業費)は約5,500万円とされています。25棟の解体費として見ると高額に感じますが、焼損面積は約3,400平方メートル(約1,028坪)に及び、1棟あたりでは平均200万円強です。
一般的な木造住宅の解体費用を坪4〜5万円程度とすると、単純計算でも約4,100万〜5,100万円となります。そのため、25棟の規模を考えると、約5,500万円が極端に高い金額とはいえません。
また、地権者がそれぞれ解体を発注すると、工事が分散することで費用が膨らむ可能性があります。今回は復興プロジェクトが一括して発注することで、25棟の解体・がれき撤去をまとめてできるため、全体のコストを抑えています。
ただし、火災後の解体には、通常の解体工事とは異なる作業も発生します。主な理由は次の3つです。
- 燃えた木材は再利用しにくい:炭化した木材は再利用が難しく、処分が必要になります。
- 分別に手間がかかる:燃えた建材や金属などを仕分ける必要があり、作業量が増えます。
- 安全確認をしながら解体する必要がある:焼損した建物は状態が不安定な場合があり、通常より慎重な作業が求められます。
さらに、今回はアーケード商店街を中心とした市街地での工事です。重機の進入や作業スペースの確保にも制約があり、現場の状況によっては手作業が増える場合もあります。
5,500万円の工事費は何に使われる?
今回の場合、被災した建物の解体やがれきの収集・運搬・処分だけでなく、更地にするための土地の境界線を画定させる費用などにも充てられます。
具体的には、次のような費用が含まれます。
- 建物の解体費:被災した25棟の建物を解体するための費用
- がれきの収集・運搬・処分費:解体や火災で発生したがれきを処理するための費用
- 境界線の画定費用:解体後に更地にするため、土地の境界を明確にするための費用
- 作業に必要な費用:作業員の人件費や重機の使用、安全対策などにかかる費用
特に今回のような建物が密集した市街地では、建物を取り壊すだけでなく、土地の境界や権利関係を整理しながら工事を進める必要があります。そのため、通常の解体工事とは異なる対応や費用も発生します。
なお、総事業費約5,500万円のうち、クラウドファンディングで集まった約2,800万円でまかなえない残りの費用については、被災した地権者を中心に関係者が負担します。
なぜ火災から3か月後に解体工事が始まったのか
関係者の合意をまとめる必要があったから
火災から3か月後に解体工事が始まった背景として、被災した建物の地権者や地域の関係者が、工事の進め方について調整する必要がありました。
複数の建物が集中する現場では、地権者がそれぞれ個別に解体を発注すると、費用や手続きの負担が大きくなります。そのため、関係者が協力して工事を一括発注し、復興を進める体制を整える必要がありました。
工事に向けた準備が必要だったから
約5,500万円に上る工事費の確保や、実際に解体・がれき撤去を進めるための準備も必要です。
今回の工事では、被災した建物の解体だけでなく、大量に発生したがれきの撤去・運搬・処分も行います。そのため、工事の範囲や費用、作業方法などを関係者間で調整したうえで着工する必要があります。
解体後は防災対策を含めた街づくりへ
3か月で25棟の被災建物を撤去する工程
年内の解体・がれき撤去完了を予定しているため、残り約3か月で25棟の被災建物を撤去することになります。
実際の工事は建物の状態や現場の状況によって変わりますが、大規模な火災現場の解体では、手作業による分別や重機を使った建物の解体、基礎の撤去などを組み合わせて進める流れが想定されます。
たとえば、工事の進み方としては次のような工程が考えられます。
- 初期(着工からの数週間)
建物の状態を確認し、安全対策を施したうえで、燃え残った建材やがれきの分別・搬出を進める。 - 中盤(建物の解体)
現場の広さや周辺環境に合わせて重機を使用し、屋根や柱などの建物を解体する。発生したがれきは順次搬出・処分する。 - 終盤(基礎の撤去・境界線の画定)
建物本体の解体後、残った基礎などを撤去し、必要に応じて地面を整える。土地の境界線を画定する作業も行う。
理事 中野達也
ただし、25棟それぞれの建物の状態や立地条件によって作業内容は異なるため、実際の工程や進み方は現場の状況に応じて調整されます。
今後検討される防災対策
被災した建物を撤去するだけでなく、今後の火災被害を抑えるための街づくりを地域で検討していくことになります。
具体的な内容は今後の協議によって決まりますが、火災に強い街づくりでは、次のような対策が想定されます。
- 道路や消防活動スペースの確保:消防車や救急車が現場に入りやすい環境を整える。
- 建物の不燃化や延焼対策:燃えにくい建材の使用や、建物同士の配置を見直す。
- 消火設備の充実:消火栓や防火水槽など、火災発生時に消火活動を行いやすい設備を整える。
まとめ
出雲市今市町の大規模火災では25棟が被災し、約3か月後に解体・がれき撤去工事が始まりました。工事費は約5,500万円で、そのうち約2,800万円はクラウドファンディングの支援金が充てられます。
自身が運営する「五穀と鹽」が被災した小豆澤貴洋さんは、「地権者が一番、主体となってやるべきところを、これだけの応援をいただいたので、私たちは最大限、それから先の未来に向かって、皆様の期待に応えていくことが大切かなと思っている」と話しています。
工事は年内の完了を予定しており、解体・がれき撤去の後は、防災対策を取り入れた街づくりについても検討されていきます。
今回の火災で被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。一日も早く日常の生活を取り戻せるよう、復興が進むことを願っています。
理事 中野達也
火災が起きた場合は、まず安全な場所へ避難して消防へ通報することが大切です。火災後は自己判断で片付けや解体を始めず、関係機関や専門業者に相談しましょう。






