飲食を移転・閉店する際、賃貸物件であれば原状回復のための内装解体工事が必要になります。
飲食店の内装解体は、厨房設備やダクト、グリストラップなどの特殊設備の撤去が必要になるため、一般的な店舗やオフィスの内装解体とは異なる注意点があります。
本記事では、飲食店の内装解体に特化した費用相場や注意点について解説します。なお、本記事に掲載している解体費用相場と見積書は、全て当協会(一般社団法人あんしん解体業者認定協会)を通じて実際に行われた工事に基づいています。
内装解体の基本的な流れや費用については、内装解体の費用相場 種類や流れを解説で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
飲食店の内装解体の費用相場
飲食店の内装解体の費用相場(坪単価)は、平均で4万789円です。
それぞれの費用相場をご紹介します。
※掲載している解体費用は、全て当協会(一般社団法人あんしん解体業者認定協会)を通じて実際に行われた工事に基づいています。
| 坪数 | 費用相場 |
|---|---|
| 10坪 | 44,003円 |
| 20坪 | 36,825円 |
| 30坪 | 33,937円 |
| 40坪 | 33,834円 |
| 50坪 | 39,895円 |
飲食店の内装解体工事の費用実例
飲食店の内装解体費用は、工事の内容や店舗の状態によって大きく変動します。
実際に行われた飲食店の内装解体実例を見てみましょう。
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イタリアンバルの内装解体工事の見積もり例
ビルの2階に入っている、イタリアンバルの閉店に伴う内装解体の見積りです。
現場の裏にはアパートがあるため、近隣対応や挨拶、工程表の配布をお施主様よりお願いされていました。
また、現場の下の階には美容室が入っているため、騒音や振動の発生する作業は美容室の定休日に行いました。
| 地域 | 東京都世田谷区 |
|---|---|
| 建物構造 | 木造 |
| 坪数 | 15坪 |
| 工期 | 5日間 |
| 総額 | 699,000円 |
| 品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 1.解体撤去処分工事 | - | - | - | - |
| カウンター撤去 | 1 | 式 | 50,000円 | 50,000円 |
| 造付け什器 棚撤去 | 1 | 各所 | 50,000円 | 50,000円 |
| 床 CF、防水 剥がし(下地残し残らない場合) | 50 | m² | 2,300円 | 115,000円 |
| 天井照明レール撤去及ファン撤去(別途費用かかります) | 1 | 式 | 3,000円 | 3,000円 |
| ソファー撤去 | 1 | 式 | 15,000円 | 15,000円 |
| カーテンレール撤去 | 1 | 各所 | 1,500円 | 1,500円 |
| 窓飾り枠撤去 | 1 | 式 | 5,000円 | 5,000円 |
| 厨房フード撤去 | 1 | 箇所 | 15,000円 | 15,000円 |
| 床 配管上げ床撤去 | 1 | 式 | 6,000円 | 6,000円 |
| 給湯器撤去 | 1 | 箇所 | 10,000円 | 10,000円 |
| 手洗い洗面器撤去 | 1 | 箇所 | 3,000円 | 3,000円 |
| 各所 設備メクラカップ止め | 1 | 式 | 35,000円 | 35,000円 |
| 2次側ガス配管撤去(同上) | - | - | - | - |
| 2.発生材積込運搬処分工事 | - | - | - | - |
| 残材積込費(階段出し)(養生共) | 14 | m³ | 5,000円 | 70,000円 |
| 発生材運搬費(2tD) | 3 | 台 | 18,000円 | 54,000円 |
| 発生材処理費(混合) | 14 | m³ | 14,500円 | 203,000円 |
| ※別途事項 残置物処理 厨房器具処理 床下地撤去 トイレ撤去 |
- | - | - | - |
| 諸費用 | 63,550円 | |||
| 値引き | -50円 | |||
| 小計 | 635,500円 | |||
| 消費税 | 63,500円 | |||
| 合計金額 | 699,000円 | |||
カフェの原状回復工事の見積もり例
路面にあるカフェの閉店に伴う原状回復です。
店舗の外にある造作物の撤去や補修も、工事の内容に含まれています。
| 地域 | 東京都世田谷区 |
|---|---|
| 建物構造 | - |
| 坪数 | 18坪 |
| 工期 | 17日間 |
| 総額 | 894,883円 |
| 品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 間仕切造作壁解体 | 32.3 | m² | 2,000円 | 64,600円 |
| 壁廻り内周フカシ壁解体 | 64.3 | m² | 1,500円 | 96,450円 |
| 店舗正面入口ドア及びガラスサッシ壁解体 | 22.4 | m² | 2,500円 | 56,000円 |
| 厨房及びトイレ部天井解体 | 18.9 | m² | 1,200円 | 22,680円 |
| 外部煉瓦タイル土間斫り、解体 | 10.7 | m² | 4,000円 | 42,800円 |
| カウンター、棚、収納等造り付け造作物解体 | 1 | 式 | - | 30,000円 |
| 外部オープニングテント分解、撤去(2箇所) | 1 | 式 | - | 25,000円 |
| 外部ポール支柱サイン 切断撤去(埋設部基礎残し) | 1 | 式 | - | 15,000円 |
| 外部鉄柱看板 解体撤去(埋設部基礎残し) | 1 | 式 | - | 40,000円 |
| 外部壁面看板 撤去(オーニング上部造作) | 1 | 式 | - | 20,000円 |
| 同上作業用足場仮設、搬入費(ローリングタワー 材工) | 1 | 式 | - | 8,000円 |
| エアコン撤去処分(天カセ×2 天吊×1)(冷媒管含む) | 1 | 式 | - | 45,000円 |
| 衛生器具撤去及び給排水管端末処理(便器洗面等)(端末キャップ止め) | 1 | 式 | - | 15,000円 |
| 照明等器具及び電気2次配線処理、撤去(防災・分電盤残し) | 1 | 式 | - | 22,000円 |
| 上記解体、撤去材搬出・積込費(店舗前駐車の上) | 1 | 式 | - | 35,000円 |
| 同上産業廃棄物、処分費(9.1m³) | 1 | 式 | - | 158,000円 |
| 同上産業廃棄物、運搬費(2tダンプ車) | 3 | 台 | 16,000円 | 48,000円 |
| 各所コーキング、簡易塗装等補修、雑工事(近似色塗装 材工) | 1 | 式 | - | 25,000円 |
| 消耗品、交通費等現場経費 | 1 | 式 | - | 45,000円 |
| 諸費用 | - | |||
| 値引き | - | |||
| 小計 | 813,530円 | |||
| 消費税 | 81,353円 | |||
| 合計金額 | 894,883円 | |||
こちらの案件では、店内にある厨房機器や客席などは買い取りに向けてお施主さんのほうで動かれていましたが、買い取り先が見つからなかった場合のために原状回復とは別途で見積りを算出しています。
焼肉バイキング店のスケルトン解体工事の見積もり例
焼肉バイキング店の閉店に伴うスケルトン解体です。
店舗が広いことに加え工事の内容も大規模なので、費用は高く工期も長めです。
| 地域 | 埼玉県川口市 |
|---|---|
| 建物構造 | RC造 |
| 坪数 | 107.11坪 |
| 工期 | 1ヶ月間 |
| 総額 | 5,280,000円 |
| 品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 1.仮設工事 | - | - | - | - |
| 搬出用資材(台車類 グリーンバック) | 1 | 式 | 50,000円 | 50,000円 |
| 工事用資材(電気工具 脚立 立馬など) | 1 | 式 | 40,000円 | 40,000円 |
| 電気二次側切り離し(盤残し) | 1 | 式 | 60,000円 | 60,000円 |
| ガス切り離し(キャップ止め) | 1 | 式 | 50,000円 | 50,000円 |
| 水道切り離し(キャップ止め) | 1 | 式 | 30,000円 | 30,000円 |
| 養生(資材、施工費) | 1 | 式 | 20,000円 | 20,000円 |
| フロンガス回収 | 1 | 式 | 280,000円 | 280,000円 |
| 消耗品(刃 ガラ袋など) | 1 | 式 | 50,000円 | 50,000円 |
| 暖房器具撤去 | 1 | 式 | 320,000円 | 320,000円 |
| 諸経費(現場管理費 交通費など含む) | 1 | 式 | 120,000円 | 120,000円 |
| 2.内装解体工事 | - | - | - | - |
| 天井撤去(ボード 下地共) | 328 | m² | 1,200円 | 393,600円 |
| 天井設備撤去(電線撤去など) | 328 | m² | 800円 | 262,400円 |
| 床材撤去(上下 FL-300) | 262 | m² | 2,000円 | 524,000円 |
| 設備配管及びダクト撤去 | 1 | 式 | 120,000円 | 120,000円 |
| 造作物撤去 | 1 | 式 | 120,000円 | 120,000円 |
| 間仕切り壁撤去 | 1 | 式 | 80,000円 | 80,000円 |
| トイレ撤去(男女共) | 1 | 式 | 80,000円 | 80,000円 |
| エアコン撤去 | 7 | 台 | 10,000円 | 70,000円 |
| 外周壁クロス剥がし | 238 | m² | 900円 | 214,200円 |
| 厨房土間斫り(FL-300 コンクリート200 スタイロ100) | 56 | m² | 8,000円 | 448,000円 |
| シール剥がし | 1 | 式 | 30,000円 | 30,000円 |
| ベランダダクトファン撤去 | 1 | 式 | 60,000円 | 60,000円 |
| ショーケース撤去 | 1 | 箇所 | 30,000円 | 30,000円 |
| 屋上室外機撤去 | 1 | 式 | 80,000円 | 80,000円 |
| 同上発生材小運搬費 | 64 | m³ | 5,000円 | 320,000円 |
| 3.産業廃棄物収集運搬処分 | - | - | - | - |
| 廃石膏ボード | 7 | m³ | 24,000円 | 168,000円 |
| 廃プラスチック | 8 | m³ | 20,000円 | 160,000円 |
| 木屑 | 15 | m³ | 6,000円 | 90,000円 |
| 混合廃棄物A | 12 | m³ | 15,000円 | 180,000円 |
| 混合廃棄物B | 9 | m³ | 24,000円 | 216,000円 |
| コンガラ | 13 | m³ | 8,000円 | 104,000円 |
| ケイカル(アスベスト) | 3 | m³ | 50,000円 | 150,000円 |
| 引き取り運賃(4t車) | 8 | 台 | 24,000円 | 192,000円 |
| 諸費用 | - | |||
| 値引き | -312,000円 | |||
| 小計 | 4,800,000円 | |||
| 消費税 | 480,000円 | |||
| 合計金額 | 5,280,000円 | |||
飲食店の内装解体で費用が変動する要因
飲食店の内装解体は、以下の要因によって費用が変動します。
どれも珍しいケースではなく、飲食店であれば該当する可能性の高い内容です。
ご自分の借りている物件に当てはまる条件がなさそうか、予めチェックしておきましょう。
- 厨房設備が多く複雑な構造の場合や、撤去が必要な場合
- 油汚れの清掃費用が発生する場合
- 店舗内に残置物がある場合
- スケルトン解体への切り替えが発生する場合
- 内装材にアスベストが含まれている可能性がある場合
- 個室や小上がりなど間取りが複雑な店舗の場合
- エレベーターがないテナント店舗の場合
- 周囲の店舗や状況により夜間や早朝に作業が必要な場合
- 作業現場の近くに車両の駐車スペースがない場合
- 床タイルなどの老朽具合がひどく、作業に手間がかかる場合
- コンクリートはつり工事が必要な場合
飲食店の内装解体の流れ
賃貸物件の店舗を返却する際の原状回復工事(内装解体)の流れは以下の通りです。
- 貸主・管理会社との打ち合わせ
- 現地調査・見積もり
- 契約・工事準備
- 近隣テナントへの挨拶まわり
- 不用品処分
- ライフラインの停止
- 養生
- 設備・配線の撤去
- 内装材の撤去
- 床材の撤去
- 廃材の搬出・処分
- 清掃・完了確認
- リフォーム工事(任意)
飲食店の内装解体で注意すべき点
飲食店の内装解体では、以下の点に特に注意が必要です。
解体範囲の明確化
次の入居者が決まっている場合や、引き続き同業種の入居が見込める場合は、例外的に一部の設備を残せる場合があります。特に飲食店の場合、厨房設備やダクト、グリストラップなどの高額な設備を引き継げる可能性があるため、工事範囲の再確認も踏まえて、必ず貸主や管理会社と事前に連絡を取りましょう。
所有権の移転
ご自身が購入した厨房設備や什器を一部残すことになった場合でも、退去後は所有権が貸主側へ移ってしまうので注意しましょう。高額な厨房機器を残す場合は、特に慎重に判断する必要があります。
騒音・振動への配慮
飲食店の内装撤去では、厨房設備の撤去、ダクト工事、カウンターや造作棚の撤去、はつり工事で騒音や振動が発生します。同じビル内の飲食店や美容室など、営業時間中の騒音を避けたい店舗には特に配慮が必要で、他店舗の営業時間を避けて工事を行う場合があります。
残置物撤去費の削減
テーブルや椅子などの什器は、ご自分で粗大ごみに出すことで解体費用を抑えることができます。また、厨房設備(冷蔵庫、製氷機、食洗機など)をリースしている場合は、リース契約の解約手続きを行い、解体が始まる前に返却を済ませておきましょう。
賃貸契約の解約通知
飲食店のテナント物件の場合、賃貸契約の解約通知は3〜8ヶ月前に必要なケースが多いです。閉店や店じまいの検討段階で、早めに不動産会社や貸主に相談しておきましょう。
油汚れ・臭いへの対応
飲食店の場合、厨房エリアの油汚れや臭いが残っていないかを特に注意して確認します。油汚れや臭いの除去が必要になるケースが多いため、現地調査時に状況を確認してもらい、見積もりに含めてもらいましょう。
ライフラインの管理
飲食店の場合、ガスの使用量が多いため、ガス会社への解約連絡は早めに行いましょう。また、ライフラインは建物側で管理している場合もあるため、店舗側が手続きを行うべきかどうか、まずは貸主や管理会社に確認する必要があります。
厨房設備の撤去範囲
厨房フード、ダクト、グリストラップ、ガス配管などの撤去が必要になります。これらの設備は専門的な知識が必要なため、飲食店の内装解体の経験が豊富な業者に依頼することが重要です。
飲食店の内装解体で費用を抑える方法
飲食店の内装解体は、厨房設備やダクトなどの特殊設備の撤去が必要になるため、費用が高額になりがちです。
しかし、以下のポイントを押さえることで、費用を抑えることができます。
複数の解体業者から見積もりを取る
内装解体の費用は業者によって大きく異なるため、必ず複数の解体業者から見積もりを取りましょう。特に飲食店の内装解体の実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。
什器や備品は自分で処分する
テーブル、椅子、食器棚などの什器や備品は、ご自分で粗大ごみに出すか、リサイクルショップに売却することで、解体費用を大幅に削減できます。
リース設備は事前に返却する
厨房設備(冷蔵庫、製氷機、食洗機など)をリースしている場合は、リース契約の解約手続きを行い、解体が始まる前に返却を済ませておきましょう。
解体範囲を貸主と明確にする
次の入居者が決まっている場合、厨房設備やダクト、グリストラップなどの高額な設備を残せる可能性があります。必ず貸主や管理会社と事前に連絡を取りましょう。
繁忙期を避ける
3〜4月、9〜10月は解体業者の繁忙期で費用が高くなる傾向があります。可能であれば、繁忙期を避けて解体工事を行いましょう。
油汚れを事前に清掃する
厨房の油汚れがひどいと追加費用が発生する場合があります。解体工事の前に、ある程度の清掃をしておくことで、追加費用を抑えられます。
スケルトン解体か内装解体かを確認する
賃貸借契約書に記載されている原状回復の範囲を確認しましょう。「スケルトン解体」を「内装解体」に変更できれば、費用を大幅に削減できます。
早めに解体業者に相談する
閉店や店じまいの検討段階で、早めに不動産会社や貸主、解体業者に相談しておきましょう。工事のスケジュールに余裕が持て、費用を抑える方法を提案してもらえます。
解体無料見積ガイドの内装解体サービスでは、飲食店の内装解体の実績が豊富な解体業者を複数紹介しています。






