解体工事にも、解体業者と施主との間で結ぶ契約書が存在します。
解体業者と結ぶ「解体工事の契約書」について、そのチェックすべきポイントをまとめたので、建物の解体工事をご検討中の方はぜひ参考にしてください。
契約書は必要か?
原則として、解体工事に契約書は必要です。
国土交通省が定める建設業法で、解体工事を行う際は契約書を交付することが義務付けられています。
契約書なしに解体工事を行うことはトラブルの原因になり、不当な追加費用の請求などに発展する可能性もあります。
悪質な解体業者や、古い慣習が残っている解体業者は、口約束のみで着工し、事前に契約書を作成しない場合があります。自分自身を守るためにも、事前に契約書は交わしましょう。
契約書を交わさなかったばかりに起きてしまったトラブル事例
●追加費用の発生
地主さんに土地を返却するために解体工事を行っていた方が、解体工事前に契約書を交わさなかったばかりに、追加費用を請求されてしまうという事例がありました。土地返却の期限も迫り、期限内に終らせるために仕方なく追加で費用を払ってしまったそうです。
契約書が必要ない解体工事の事例
●簡易構造物の撤去
ブロック塀やカーポート、物置などの簡易構造物のみの撤去は、請負工事とみなされなない場合があります。その場合、契約書の交付義務はありません。
簡易的な解体・撤去工事の定義は特に定められていないため、詳細は各自治体の指示に従う必要があります。上記の解体・撤去工事をお考えの際は、各自治体の建設課に問い合わせましょう。
契約書はいつまでに交わすべき?
契約書を交わす時期は、見積書の期限内で、できるだけ早めに行うのがおすすめです。どんなに遅くとも解体工事の1ヶ月前には契約するようにしましょう。
見積書には期限があるため、過ぎてしまうと金額が変わってしまう場合があります。
また、契約時期を引き伸ばすことで、解体業者のスケジュールが埋まってしまう可能性もあります。
なぜなら、優良な解体業者ほど工事スケジュールが埋まりやすいからです。 契約書を取り交わす日が遅れてしまうと、ご自身が予定していたスケジュール通りに解体工事を行っていただけない可能性が出てきてしまいます。
ご自身が考えている日程までに解体工事を終わらせるためにも、可能であれば1ヶ月半から2ヶ月前に余裕をもって契約し、解体業者の工事スケジュールを抑えましょう。
中には、余裕をもって契約をすることで値引きに応じてもらえるケースもあります。
契約書のスケジュール例
例えば、12月25日までに解体工事を終らせる場合で工事日数が10日間かかる場合、解体工事の完工日から逆算してみましょう!
- 12月25日 解体工事完工(解体工事には10日間かかるから・・・)
- 12月10日 解体工事着工(解体工事1ヶ月前には契約をしなければならないから・・・)
- 11月15日 契約取り交わし
このように12月25日までに解体工事を終らせるためには、11月15日には遅くても契約を交わさなければなりません。
契約書の内容で注意しなければならない3つのチェックポイント
解体工事の契約書は、九割以上の方が初めて目にするものだと思います。最低限でも契約書を交わす際にチェックしておきたいポイントは3つありますので、必ず記載されているか確認するようにしましょう。
注意しなければならない3つのチェックポイントは以下の通りです。
- 工事内容が記載されているのか?
- 解体工事の総額金額が記載されているか?
- 工事期間などがしっかりと明記されているか?
※赤色で囲ってある箇所になります。
1つずつ説明していきますね。まず1つ目が、工事内容です。(建物構造や階数などが記載されます)
この記入欄がご自身の建物で間違いがないかを必ずチェックしましょう。
2つ目が解体工事の総額金額。総額金額には、見積りをもらった後に工事範囲の変更や追加で処分をお願い等されていなければ解体業者から提示されていた見積書の金額が記載されています。
見積りの段階で話をしていた金額から、把握していない金額の増減がないかしっかりと確認をしておきましょう。
最後の3つ目が、工事期間です。この欄は、解体業者のスケジュールとご自身のスケジュールの調整のうえ記載されています。
悪天候などやむを得ず工事が延びてしまわない限り、契約書の工事期間に沿って解体工事が行われます。
工事時期が延びてしまいそうな場合は??
解体工事が延びてしまう理由は、予期せぬトラブルや天候の影響などがほとんどです。ご自身のスケジュールもありますので、解体工事の完工日がズレそうな場合は解体業者から一報もらえるようにしておきましょう。 例)このように伝えて頂ければ、ほとんどの解体業者が対応してくれます。
「万が一、解体工事の完工日がズレそうな場合はご連絡を頂いてもよろしいですか?」
この3つは必ず確認するようにしましょう。
また、それ以外にも万が一に備えての記載されているものがあります。悪天候時には解体工事の期間延長を求めるものや、万が一地中から予期せぬ埋設物が出てきてしまった場合の対応など初めての事で馴染みがない言葉が並びますが、 しっかりと全項目を確認の上で契約書にサインをするようにしましょう。
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悪天候時には解体工事の期間延長に関しての明記
悪天候などで解体工事をスケジュール通りに施工出来ない場合、すぐさま連絡をして改めて完工日を伝えるなどが記入されております。
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地中埋設物に関しての明記
建物の基礎を撤去した際に、基礎下から過去の建物廃材など予期せぬものが出てきてしまった場合、解体工事を中断してすぐに連絡をしますなどが記載されています。この項目がなかった場合、解体工事後に「地下から廃材が出てきたので処分した費用を追加でください」など確認していないのに追加費用を払わなければならないなど最悪なケースに巻き込まれる可能性があります。しっかりと記載されていることを確認しましょう。
注文書・注文請書でも大丈夫なの?
解体業者の中には、契約書ではなく「注文書・注文請書」を取り交わす業者がいます。「注文書・注文請書」も契約書のひとつですので問題はありませんが、契約書とは違い細かな契約条件が記載されていないことがほとんどです。
注文書に記載されている内容
- 品目(○○邸解体工事など)
- 納期
- 支払い納期
注文書には、万が一何かあった際はどうするのか?が記載されてないケースが多いです。本当に安心して工事をお願いしたい場合は、できる限り注文書ではなくて『契約書』を取り交わすようにしましょう。
解体工事の契約書のご相談は解体無料ガイドへ
解体工事は安い買い物ではありません。何があるか分からない工事でのトラブルを防ぐために、事前に契約書を交わしておくことは非常に大切です。
解体無料見積ガイドでは、解体工事の契約書について、スタッフがチェックするなどのご相談を承っております。