スレートの解体費用を徹底解説

建物の建材にスレートが使用されていると、解体工事や建て替え工事の際に問題になる場合があります。 なぜなら、一部のスレートには、危険な物質であるアスベストが使われているためです。

危険なスレートが建物に存在すると、スレートの処分費用が高くなって解体費用が割高になります。そこで、今回はスレートの種類や、危険なスレートが建材として使用されている建物の解体費用について解説します。

アスベストを含むスレートの危険性とは

屋根のストレートの説明

何も処置を施さずに危険なスレートを解体すると、危険物質が周囲に飛び散って解体作業者や近隣住民に深刻な健康被害を及ぼす危険があります。ですから、まずはスレート自体について正しく理解しておきましょう。

すべてのスレートに問題があるわけではない

実は、一口にスレートといっても、以下のような種類が存在します。

  • 天然スレート
  • 化粧スレート(アスベスト無)
  • 化粧スレート(アスベスト有)←後述する危険なスレート

参考 【建築用語】屋根材・スレートとは?基礎知識とメリット・デメリット外壁・屋根塗装についてのお役立ち情報

天然スレートとは、泥からできた頁岩(けつがん)や泥岩が圧縮されてできたものを指します。 ただし、重量が重くて価格が高く、主に高級素材として利用されます。

ですから、一般的にはセメントに繊維素材を混ぜて人工的に作られた化粧スレートが流通しています。 化粧スレートは、以下のような特長を持っています。

  • 価格が安い
  • 重量が軽く耐震性が高い
  • 着色しやすくデザイン性に優れる

化粧スレートにも、耐久性や防水性が低いといったデメリットはあります。しかし、デメリットを補って余りあるメリットから、今なお普及し続けています。スレートそのものは、現在でも建築素材として多くの建物に使用されているのです。

化粧スレートに潜むアスベスト

すでに触れた通り、化粧スレートはセメントに繊維素材を混ぜて作られます。そして、繊維素材としては長年アスベストが使用されてきました。

アスベストとは?

天然鉱石から作られる鉱物繊維で、石綿(いしわた)とも呼ばれます。 耐熱性、耐摩擦性など様々な長所を持つため「奇跡の鉱物」といわれ、使用が禁止されるまで多くの工業製品に使われていました。

参考 アスベスト(石綿)とはどのようなものか独立行政法人環境再生保全機構

しかし、2005年に大規模な健康被害が公表されてから、アスベストは一転して「静かなる時限爆弾」と恐れられる存在へと変化しました。 アスベストが「静かなる時限爆弾」と呼ばれるのは、以下の理由によります。

アスベストの危険性
  • 非常に繊維が細く、体内に入っても分からない
  • 体内で分解できないので、時間をかけて体に蓄積されていく
  • 数年後、数十年後になってから、肺がんや中皮腫などの健康被害を引き起こす

参考 石綿(奇跡の鉱物から静かなる時限爆弾)日本家政学会誌

ところが、アスベストが問題視されるようになったころには、すでに大量のアスベスト入り化粧スレートが日本中に出回っていました。 ですから、今なお多くの建物にアスベスト入り化粧スレートが残存しており、大問題となっています。

アスベスト入りスレートの解体時に生じる危険

アスベストを含む建材は、アスベストの飛散しやすさに応じてレベル1~3が付けられており、スレートはレベル3(非飛散性アスベスト)に相当するとされています。スレートはセメントで固められているので、通常ならアスベストが飛び散るケースはほとんどないからです。

ですが、解体などの際にスレートが割れると、中からアスベストが飛散してしまいます。 アスベストは非常に繊維が細かいので、スレートが割れただけで広範囲に飛び散り大変危険です。

そのため、アスベスト入りスレートの処理には、念入りな準備が必要なのです。

自宅に危険なスレートが使われていないかチェックしよう

解体工事の際は、自宅にアスベスト入りスレートが使用されているかどうかを確認しなければなりません。そこで、アスベスト入りスレートの存在をチェックするポイントについて簡単に紹介します。

新築した年をチェックしよう

アスベストは、少なくとも明治時代から存在します。 特に、1970年代後半から1980年代にかけて海外から輸入されたアスベストは、多くが建材として建築物に利用されました。

一方、規制は1975年から始まりましたが、実質的に全面禁止となった2006年(アスベスト含有率0.1%超を製造等禁止)までアスベストの使用は続きました。 そのため、2019年現在の時点でも、多くの建物にアスベストが残っていると考えられます。

アスベストが全面禁止された時期

アスベストの一般流通は、2006年をもって全面禁止されました。ただし、2006年以降も、一部の化学工業施設の設備向け製品に限定して、アスベストの使用は認められています。

参考 石綿(奇跡の鉱物から静かなる時限爆弾)日本家政学会誌

参考 目で見るアスベスト建材国土交通省

参考 アスベスト全面禁止厚生労働省

どこにスレートが使われている?

アスベスト(石綿)入りのスレートが使用されている建材を一部紹介します。下表では、屋根のみならず、内壁・外壁や天井など至るところに危険なスレートが使用されているのが確認できます。また、どれも製造が2004年に終了している点も要チェックです。

種類(施工部位) 建材の種類 製造時期
内装材(壁・天井) 石綿含有スレートボード・フレキシブル板 1952~2004
石綿含有スレートボード・平板 1931~2004
石綿含有スレートボード・軟質板 1936~2004
石綿含有スレートボード・軟質フレキシブル板 1971~2004
石綿含有スレートボード・その他 1953~2004
外装材(外壁・軒天) 石綿含有スレートボード・フレキシブル板 1952~2004
石綿含有スレート波板・大波 1931~2004
石綿含有スレート波板・小波 1918~2004
石綿含有スレート波板・その他 1930~2004
屋根材 石綿含有住宅屋根用化粧スレート 1961~2004

2004年にアスベストの法規制が厳しくなったため、アスベスト入り建材はスレートも含めて製造が終了します。しかし、2004年以降もメーカーに在庫として残っている分を消化できる猶予期間が存在したため、一部の製品は2006年まで使用が続きました。

ですから、2006年までに新築された建物のスレートなどの建材には、アスベストが含まれている可能性が十分あります。したがって、2006年以前に新築された建物なら、解体工事の前に専門家によるアスベスト調査が必要になります。

参考 環境省における石綿対策の経緯環境省

危険なスレートの解体にはいくら必要?

アスベスト入りスレートが建物に存在する場合、解体の準備が大変なだけでなく、ゴミの処分費用もかさみます。ですから、解体費用については、アスベストが無い建物に比べると高額です。

事例からスレートの解体費を確認してみよう

では、実際にあった事例を用いて、アスベスト入りスレート建材の解体費用をチェックしてみましょう。

【事例1】スレート以外の名前で見積書に載っているケース-埼玉県さいたま市-

埼玉県さいたま市での見積書

上記の見積書にある、屋根材コロニアル撤去処分に着目してください。

コロニアルとは

カラーベストとも呼ばれる、化粧スレートの一種です。製造時期によっては、アスベストを含んでいる場合があります。

参考 ヤネカベ 屋根リフォーム・外壁塗装専門店 プロタイムズ総合研究所

仕様にアスベストレベル3と記載されているため、上記の屋根材コロニアルはアスベスト入りスレートだと分かります。

解体・処分費用は立方メートル(m3)当たり3万5000円で、計1.5立方メートルで5万2500円です。 解体費用総額が134万2593円なので、屋根材コロニアル撤去処分は全体の約3.9%に当たります。

ただし、上記の見積書にはアスベスト調査費が含まれていません。

新築時期などから考えて、明らかにアスベストが存在しない建物でない限り、解体前にアスベスト調査は必須です。 注意しましょう。

【事例2】アスベスト入りスレートが大量に存在したケース-千葉県千葉市-

千葉県千葉市での見積書

事例1では、スレート瓦運搬処理費がアスベストを含むものとして別項目になっています。 上記のように、アスベストを含んでいる前提でスレートと表記されている場合があります。

なお、スレートの処分費用は1立法メートル当たり3万円、計4立法メートルで12万円です。 2棟を同時に解体するため、全体では計8立法メートルで24万円にのぼります。

解体費用の総額は税別で164万6900円なので、スレート瓦運搬処理費は処理総額の実に約14.6%を占めています。

したがって、2棟合計である30坪超の建物で、スレート処分に20万円以上かかる場合があると分かります。なお、事例2もアスベスト調査費は見積金額に含まれません。

【事例3】アスベスト調査費が見積書に含まれているケース-東京都国分寺市-

東京都国分寺市での見積書

事例3は、建物全体の坪面積が50坪なので、事例1(2棟合計32.5坪)・事例2(26坪)と比べると大分広めのお家です。 ですが、スレートの処分量は事例2と大差ありません。

具体的には、屋根材スレート(アスベスト)処分費が1立法メートル当たり4万5千円、計4立法メートルで18万円です。 解体費用の総額が税別で221万2963円なので、スレートの処分費は全体の約8.1%を占めています。

ただし、事例3ではアスベスト調査費が明記されています。

アスベスト調査費は4万5千円で、アスベスト関連費用は計22万5千円です。 ですから、アスベスト関連費用は全体の約10.2%であると分かります。

事例1~3からアスベスト関連費用を考察しよう

したがって、事例1~3によると、スレートの処分費用が立法メートルあたり3万~4万5千円、アスベスト調査費は4万5千円かかっています。ですから、3立法メートルのスレートが存在するなら、アスベスト関連費用はおおむね15万~16万円くらいになると考えられます。

アスベストに対応している解体業者へ解体を依頼しよう

すでに説明した通り、危険なスレートは適切な手順に沿って解体しないとアスベストが飛散して大変危険です。そのため、アスベスト入りスレートにも対応できる業者さんへ解体工事を依頼する必要があります。しかし、自分で業者さんを見つけるのは簡単ではありません。

そこで、一括見積サイトを利用しましょう。一括見積サイトなら、複数の解体業者さんを紹介してもらい、かつ無料で見積もりしてもらえます。

さらに、複数の見積書を比較すれば、無理なく解体費用を抑えられます。なお、あんしん解体業者認定協会が運営する解体無料見積ガイドも一括見積サイトの一つです。

当協会には、アスベスト入りスレートなどの解体工事にも対応できる業者さんが多数所属しています。加えて、当協会の登録審査基準をクリアした優良業者さんでもあるため、当協会も自信を持って紹介しています。

解体業者を選ぶときは、ぜひ当協会にご連絡ください。

スレートの解体と費用についてのまとめ

今回は、スレート建材が使用された建物の解体工事について説明しました。スレート建材にはアスベストが使用されている場合があり、建物の解体工事においてはアスベストが飛散しないように細心の注意を払う必要があります。

そのため、アスベストを適切に処理できる解体業者さんを探さなければなりませんが、ご自分で探すのは難しいかもしれません。そこで、あんしん解体業者認定協会にぜひご連絡ください。アスベスト対応業者さんの紹介はもちろん、複数業者から見積書を取得、比較検討して、解体費用を安く抑えられます。どうぞ、当協会をご利用ください。

スレート建材といっても、必ずしもアスベストが含まれているわけではありません。ですが、現状では多くの住宅でアスベスト入り建材が使用されているのは事実です。ぜひ、注意して解体工事や建て替え工事を終えましょう!!

参考 業者をお探しの方必見!! 解体工事の品質管理ポイントを押さえよう解体工事の情報館

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