店舗解体の費用 飲食店などの設備の処分費とあわせて解説

店舗解体

店舗として利用していた建物が老朽化して解体を検討している方や、賃貸物件の返却に伴い店舗の原状回復を検討している方など、店舗の解体をお考えの方は多いと思います。

店舗解体は、建物全体を解体する場合と、賃貸物件の内装のみを解体する場合で大きく異なります。
本記事では、それぞれのケースについて、費用相場や費用が変動する要因、解体の流れを詳しく解説していきます。なお、本記事に掲載している解体費用相場と見積書は、全て当協会(一般社団法人あんしん解体業者認定協会)を通じて実際に行われた工事に基づいています。

店舗解体を検討されている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

店舗解体の種類

店舗解体には、建物全体を解体する場合と、賃貸物件の返却に伴う内装解体の場合があります。
特に賃貸物件では、原状回復工事またはスケルトン解体が求められます。

原状回復工事とスケルトン解体の違い

原状回復工事

原状回復工事とは、「賃貸物件を退去する際に契約時の状態に戻して返却するための工事」です。
入居時に設置した設備や内装を撤去し、元の状態に復旧します。

スケルトン解体

スケルトン解体とは、「建物の骨組み(躯体)を残し、それ以外の内装部分をすべて撤去する工事」のことです。
壁・天井・床・設備などをすべて撤去するため、原状回復工事よりも費用・工期ともに大きくなります。

どちらの工事が必要になるかは、賃貸契約の内容や物件の用途によって決まります。契約書を確認するか、貸主・管理会社に確認しましょう。

詳しくは以下の記事を参考にしてください。

一軒家の店舗解体工事の費用実例

一軒家を店舗にしている場合や、住宅の一部を店舗にしている場合など、建物の構造や条件によって必要な工事費用は変わります。
実際に一軒家の店舗を解体した事例を見てみましょう。

店舗を含む建物全体の解体をご希望の方は、解体無料見積ガイドの法人サービスからお問い合わせください。

一軒家の小料理屋解体工事の見積もり例

もともとは小料理屋さんとして利用されていましたが、空き家となっていた一軒家です。

築50年ほどが経過しており、老朽化がかなり進んでいて雨どいなどが外れそうな状態でした。

なお、残置物などはなく、室内の片付けは完了していました。

地域 埼玉県ふじみ野市
建物構造 木造
階数 2階
坪数 20坪
坪単価 32,175円
総額 1,200,000円

一軒家のお茶屋解体工事の見積もり例

所有者のお父様が営んでいたお茶屋さんの解体工事です。建物は雨漏りが酷く、改めて貸し出しするのは不可能とのことで解体工事に至ったご依頼です。

工事後は、更地を駐車場にする予定で砕石敷きなどの追加のご希望がありました。室内は清掃業者が入り、何もない状態で見積もりを行っています。

地域 東京都八王子市
建物構造 木造
階数 2階
坪数 11坪
坪単価 49,445円
総額 1,210,000円

一軒家の八百屋解体工事の見積もり例

閉店している八百屋さんの店舗解体で、老朽化が進んでおり解体して駐車場にするご依頼でした。隣の建物との間にあるブロック塀は共有でしたが、ピッタリくっついていて施工には注意が必要でした。

地域 栃木県佐野市
建物構造 木造
階数 1階
坪数 18坪
坪単価 22,361円
総額 649,000円

一軒家のクリーニング店解体工事の見積もり例

所有者のお父様が購入した元クリーニング屋さんの店舗解体です。

強風の影響で屋根の一部が飛んでおり、室内には残置物も残っている状態でした。

なお、こちらのご依頼は近隣の方から苦情が入ったことで解体工事に至ったそうです。

地域 茨城県つくば市
建物構造 木造
階数 1階
坪数 30坪
坪単価 28,500円
総額 1,365,100円

一軒家の店舗解体の流れ

一軒家の店舗を建物ごと解体する場合の流れは以下の通りです。

  1. 解体業者の選定・見積もり依頼
  2. 契約締結
  3. 解体工事前の届け出・手続き
  4. 解体工事前の準備
  5. 屋根材の撤去・内装解体
  6. 建物の解体
  7. 土間・基礎の解体
  8. 整地・清掃
  9. 完工・引き渡し
  10. 解体工事後の届け出・手続き

解体工事の流れについて詳しく知りたい方は、解体工事とは?工事の種類や流れを解説をご覧ください。

原状回復を伴う店舗解体工事の費用実例

賃貸物件の店舗解体では、原状回復工事またはスケルトン解体が行われます。
実際の店舗解体工事の見積もりデータを見てみましょう。

解体無料見積ガイドの内装解体サービスでは、あなたの地域の内装解体を専門・得意とする解体業者に無料で一括見積ができます。

店舗の内装解体工事の見積もり例

地域 東京都武蔵野市
建物構造 鉄骨造
坪数 17坪
坪単価 30,911円
総額 525,490円

店舗のスケルトン解体工事の見積もり例

地域 東京都世田谷区
建物構造 木造
坪数 34坪
坪単価 39,147円
総額 1,331,000円

なお、飲食店と美容室で備品の種類が異なるように、オフィスの事業形態によって工事の中身は変わります。そのため、一概に広さだけで解体費用を把握することは難しいと言えます。

賃貸物件の店舗解体(原状回復)の流れ

賃貸物件の店舗を返却する際の原状回復工事(内装解体)の流れは以下の通りです。

  1. 貸主・管理会社との打ち合わせ
  2. 現地調査・見積もり
  3. 契約・工事準備
  4. 近隣テナントへの挨拶まわり
  5. 不用品処分
  6. ライフラインの停止
  7. 養生
  8. 設備・配線の撤去
  9. 内装材の撤去
  10. 床材の撤去
  11. 廃材の搬出・処分
  12. 清掃・完了確認
  13. リフォーム工事(任意)

賃貸物件の店舗解体で注意すべき点

賃貸物件の店舗解体では、以下の点に特に注意が必要です。

解体範囲の明確化

次の入居者が決まっている場合や、引き続き同業種の入居が見込める場合は、例外的に一部の設備を残せる場合があります。工事範囲の再確認も踏まえて、必ず貸主や管理会社と事前に連絡を取りましょう。

所有権の移転

自分が購入した設備を一部残すことになった場合でも、退去後は所有権が貸主側へ移ってしまうので注意しましょう。

騒音・振動への配慮

店舗の内装撤去では、カウンターや造作棚の撤去、はつり工事で騒音や振動が発生します。他店舗の営業時間を避けて工事を行う場合があります。

残置物撤去費の削減

テーブルや椅子などの什器は、自分で粗大ごみに出すことで解体費用を抑えることができます。

賃貸契約の解約通知

店舗のテナント物件の場合、賃貸契約の解約通知は3〜8ヶ月前に必要なケースが多いです。閉店や店じまいの検討段階で、早めに貸主や管理会社に相談しておきましょう。

店舗解体の費用が高くなるケース

店舗の解体費用が事前の見積もりより高くなる理由として、以下のようなケースが考えられます。

店舗内に残置物がある場合

解体する店舗にエアコン・冷蔵庫・洗濯機などの家財道具や厨房、椅子、テーブル、カウンターといった店舗の設備が残っていると、撤去と廃棄物処理に別途費用が発生します。

店舗解体費用を少しでも抑えるためには、リサイクルを利用するなどして、室内残置物を自分で撤去する工夫をしてみましょう。

室内残置物の撤去方法はこちらの記事にまとめています。

残置物の処分 解体工事前の残置物の処分費用 費用相場や処分方法を解説

スケルトン解体への切り替えが発生する場合

店舗解体を進める工程で、当初予定していた内装解体からスケルトン解体に切り替わる可能性があります。
これは原状回復のために必要な作業であれば追加され、費用も増加します。

貸主・解体業者と解体する範囲について綿密な打ち合わせをすることが、後々の費用トラブルを防ぐために大切です。

内装材にアスベストが含まれている可能性がある場合

2006年9月1日以前に着工された建物は、解体前にアスベスト含有の有無を確認する事前調査が必須です。アスベストの有無により、費用・工期・必要な手続きが大きく変わります。

店舗の内装にアスベストが使われていた場合、特殊な除去作業が必要となり、通常の解体費用に除去費用が上乗せされ、処分費用が高くなります。

解体無料見積ガイドでは、アスベスト(石綿)の事前調査から除去工事まで、法令に基づいた適切な対応が可能な解体業者をご紹介しています。

アスベストの基礎知識や解体費用・手順・資格などの詳細については、アスベストが含まれる建物の解体費用 事前調査・手順・資格を解説で詳しく解説しています。

個室や小上がりなど間取りが複雑な店舗の場合

店舗によっては、個室を追加したり、小上がりがあったりして間取りが複雑になっている場合があります。そのため、店舗の構造によっては撤去作業に手間が掛かったり、処分する廃材が増えて費用が高くなる恐れがあります。

エレベーターがないテナント店舗の場合

路面店と違ってビルや施設に入っているテナント店の場合、機材や廃材を運ぶトラックを直接お店の前に付ける事ができません。

そのため、2階以上の立地でエレベーターがないテナント店舗の場合、機材や廃材の運搬に手間が掛かってしまい、人件費が高くなってしまうケースがあります。

店舗が賃貸の場合は契約期限に気をつける

賃貸契約で借りている店舗の場合、契約期間内に原状回復を行う必要があります。

工事が間に合わず期日を超過した場合は、違約金や追加の賃料支払いも生じるため、解体業者選びは余裕をもって始めることをおすすめします。

業者の選定・依頼・見積もり・契約・着工という流れになりますので、1ヶ月程度は見積もっておきたいところです。

過密地域の店舗解体での注意点

日本では土地が狭く建物が密集してるため、隣家を損傷しないように繊細な技術が求められます。そのため、過密地域の店舗解体は以下のような注意点があります。

時間規制や変則スケジュールが発生する

工事は24時間いつでもできるわけではありません。朝であれば通学時間帯、夜間であれば交通量の多い時間帯では工事に制約がかかる場合あります。

安全面はもちろんの事、この時間帯に工事を行うことでリスクが増し、人件費や設備費がかさみます。

そのため、1日の工事時間帯を分けて行う場合もあり、より効率的でスムーズに工事を進めるためのスケジュールを組む必要があります。

過密地域の立地条件によって費用が高騰する

立地条件によっては、費用が高くなるケースがあります。条件を3つに絞ったので、みていきましょう。

道幅が狭い

道幅が狭く重機が搬入できないケースです。住宅の解体に使われる重機の幅は2mですが、前面道路幅が2m未満であったり、前面道路の幅は広くても途中で2m未満の部分があると重機を搬入できません。また、曲がり角はより大きなゆとりが必要となるため注意するポイントとなります。

道路と敷地の高低差が大きい

敷地が前面道路よりも大幅に高かったり、低かったりする場合には、重機の敷地内への乗り入れが困難となります。クレーンを利用して敷地内に重機を入れる方法もありますが、クレーンを利用するスペースや重機を入れる庭などのスペースがない場合には、重機の利用は困難となります。

手壊し工事

重機を使えない場合、手壊しでの作業となります。チェーンソーによって柱を切断したり、解体バチと呼ばれる鍬のような工具によって建物の壁などを取り壊します。

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