いらなくなったビニールハウスを撤去したいと考えてはいるものの、ビニールハウスの解体ってあんまり聞かないですよね。どこに頼めばいいのかわからない、いくらかかるのか想像できないという方も多いのではないでしょうか。
また、ビニールハウスくらいなら自分で解体できるんじゃ?と思う方もいると思います。今回はそんなあまり知られていないビニールハウスの解体手段や相場、自分で解体する際に必要になる工具等をご説明していきます。
この記事の内容を4分でまとめた動画がこちらです
業者に依頼する
解体しようと思ってまず最初に思いつく手段は、業者に依頼する事かと思います。しかし、業者に頼むと高くつのではないかと不安になりますよね。ビニールハウスの解体工事には、いくらぐらいかかるのでしょうか。
一坪あたり5000円前後が相場です。
一坪5000円だと、30坪のビニールハウスを解体すると15万円になります。さらに解体費用だけでなく、コンクリート、木、プラスチックの処分費用や運搬費がプラスされ、費用がかさみます。何棟にもなっていたり、坪数が大きいとその分これらの費用が加算されてしまいます。
買い取り額と処分費用の相場
売る種類 | 1kgあたりの買い取り額目安 |
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鉄くず | 12~20円 |
廃棄物の種類 | 1kgあたりの処分費用目安 |
土砂・コンクリート | 14~20円 |
木材・プラスチック | 14~20円 |
鉄くずは売ればお金にりますから業者に買い取ってもらうか、自分で最寄りの鉄工所に行って買い取ってもらいましょう。
ビニールハウスの解体は、業者によって値段のふり幅が広いです。住宅と同等の費用がかかる所もある一方、状況によって一坪500円から査定する業者もいます。現地の状況が解体しやすい等の好条件の場合はさらに安い値段でできる事もあります。
また鉄類を引き取るかわりに無償で解体工事までおこなってくれる業者もあります。解体費用はかかるものの全ての廃材を買い取ってくれる業者もあり、パイプの状態、規格、立地状況などから判断、買い取り価格を決定するという仕組みです。 ビニールハウスの状態が良ければこういった手でお得に解体する事ができます。
ほとんどの業者は相談や現地調査、見積もりが無料なので、一度数社とって比較してみるといいでしょう。比較的安く、解体した鉄パイプも買い取ってくれる業者を選ぶと後が楽です。
自分で解体する
業者に頼むと安くない費用がかかってしまうため、自分自身で解体するという方も多いです。業者の見積もりが高く、自分で解体したら総合的に100万近く安く済んだという例もあります。
簡易構造であればパイプが地中に刺さってるだけなのでビニール、接続部を外してパイプを抜けばいいです。地中でさびてたり深く刺さってると、抜くのが大変な作業になってしまいます。
鉄骨ハウスの場合は自力で解体するのは難しいです。重量が大き構造もボルトナットなどでしっかり固定されているため複数人で重機を使った解体工事が必要になります。自分でやろうとすると事故の危険性が非常に高いので、鉄骨ハウスの解体は業者に頼みましょう。
手順
まず、作業しやすいように周りが雑草だらけだったりハウスに草が巻き付いてたりしたら抜いて環境を整えます。
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ビニールの留め具を外す
ビニールをパイプに留めている部品を外します。
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ビニールを剥がす
留め具を外したらビニールを剥がしていきます。ハウスが大きいと大変な作業になります。雨の後などはビニールに水が溜まっていたりするので注意しましょう。
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支柱の留め具を外す
支柱がクロスしている部分の留め具を外します。
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支柱とアーチを止めてるネジを外す
さびてて回らなかったり固まってたりする場合、電動ドライバーが必要になります。。
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地面に刺さっている支柱を引き抜いていく
地中に鉄パイプが刺さっているタイプの構造の場合、スコップで土を掘り返して抜いていきます。地面の中でパイプを固定する台があり、引き抜くのが困難な場合はパイプを切断することになります。
文字で見ると簡単そうですが、実際はかなり手間で体力を消耗する作業です。ハウスのビニールを剥がすだけで1日かかったという方もいますし、一つのハウスを解体するのに3.4日かかることもあります。
夏は炎天下の元、虫に耐えながら汗だくで作業することになりますから十分に休憩や水分補給を挟んで作業するように心がけましょう。冬は寒い中、冷たい鉄パイプや固まった地面を相手にしなければいけません。夏同様休憩や水便補給は小まめに行いましょう。
解体した後は廃材を処理したり、金属買い取ってもらうために運搬用のトラックをレンタルする必要があります。1日2万~3万ほどでレンタルできます。
近隣一体農家が集合している土地であれば、近隣に工事後の部品を譲れないか聞いてみるのもいいでしょう。ビニール等を無料で引き取ってくれるかもしれません。そもそも解体する前にビニールハウスが必要なお宅は無いかを聞いて、譲ってほしいという方がいれば作業を手伝ってもらい全ての部品を譲ってしまうのも無駄が無くて良いですよね。
工具
diyがブームになったおかげで、プロの大工さん達が使うような上等な工具が安値で買えるようになってきました。またレンタルでも十分なので、今後使う予定が無いなら借りるだけでも問題ありません。お手頃価格でビニールハウスの解体に役立つ工具を紹介します。
画像引用:アマゾン コードレスチップソーカッター
画像引用:アマゾン ビジョンベルデ
工具を使う場合、キックバックに気をつけて下さい。キックバックとは、直訳で【蹴り返される】という意味で、回転する工具の刃により素材がはじき飛ぶ事や逆に工具が弾かれる事を言います。大怪我をしたり最悪の場合命を落とす事になりますので、無理のない使い方をしましょう。
自分の安全が第一ですので、無理のないペースで解体作業を進めていきましょう。体調や怪我にじゅうぶんに気をつけてくださいね。
ネットで譲る・売る
ビニールハウス丸ごと、ネット上で売ってしまうという手があります。今現在、実際に出品されているビニールハウスを集めてみました。
【ヤフオク】築10年の比較的綺麗なビニールハウスが出品されています。未解体の現状での33万円の出品です。
解体済みの築13年、172坪と大規模なビニールハウスの出品です。198万円とかなり高値です。
【ジモティー】無料で9棟のビニールハウスを解体してくれる人に譲るといった出品です。無料という事もあり引き取り手がすぐに現れました。
解体済みの状態の良いビニールハウスが40万円で出品され、引き取り手が現れました。
解体作業する事を条件に譲る事もできますし、自分で値段を決めて売る事もできます。しかし高い値段にするとなかなか売れないので、買う側の気持ちになる事が大切です。
Q.ビニールハウスの建設について
5m×50mの連結4棟のビニールハウスを譲り受けるか、新設すべきか迷っています。譲り受けた場合、ビニールハウスの骨組みに60万、その他、運搬費及び組立て費用がかかります。 どちらのほうがいいのでしょうか?
A.
現在、父親のビニールハウスを解体しています(親が年でビニールの張り替えが大変という事なので)。二人でチマチマと解体をしているのですが、大変な手間ですよ。その上に鉄を処分するのにも費用がかかります。こちらからスクラップ業者に持って行くのならともかく、むこうから取りに来てもらう場合は確実にお金を取られます。その経験をふまえて申しますと、ビニールハウスの骨組みにあなたがお金を出す必要などありません。むしろ逆に解体費用を貰ってください。もし、あなたが60万で骨組みを買ったとしたら、元の持ち主は笑いが止まらないでしょうね。処分費用がかからない上にお金が入ってくるんですから。
値段を決める際は、買い手側が得だと思えるような値段にしないといけません。自分だったらこの状態のビニールハウスをこの値段で欲しいと思うか?を考えて決めましょう。
ビニールハウスを解体する方法についてのまとめ
主に業者に頼む、自分で解体する、人に譲るの3つの選択肢が考えられます。業者に頼んで解体してもらう場合、解体費用だけでなく金属の買取やビニール、プラスチックなどの廃材の処分も行ってくれる所にした方が手間が省けます。 自分で行う際は安全性の高い工具を選び、時間がかかってもいいので慎重に行う事を重視しましょう。
ビニールハウスの状態が良ければ、近隣に譲ったりネット上に出品して買い手を探すのも良い選択です。時間がない、できるだけお金をかけたくない、肉体労働をしたくない等様々な状況に合った選択をしましょう。