木造住宅は、鉄骨造やRC造の住宅に比べると構造自体の強度は低めで、壊しやすい傾向にあります。
壊しやすいぶん解体費用は低めではありますが、その総額は個人の方にとって決して安い金額ではありません。
また、木造住宅の解体ならではの工程や、費用の特徴もあります。
そこで本記事では、木造住宅の解体費用と相場について詳しく解説していきます。
木造住宅の解体費用相場
木造住宅の解体費用相場は、坪数・地域などによって変動します。
坪数別に、平均坪単価と相場をまとめたものをご紹介します。
木造住宅(平屋)の解体費用の相場
坪数 | 平均坪単価 | 解体費用の相場 |
---|---|---|
10坪 | 3万8,603円 | 25万円~80万円 |
20坪 | 3万4,111円 | 68万円~120万円 |
30坪 | 3万1,846円 | 96万円~150万円 |
40坪 | 3万1,899円 | 128万円~200万円 |
50坪 | 3万1,695円 | 150万円~240万円 |
100坪 | 2万8,676円 | 260万円~450万円 |
木造住宅(2階建て)の解体費用の相場
坪数 | 平均坪単価 | 解体費用の相場 |
---|---|---|
20坪 | 3万7,351円 | 64万円~100万円 |
30坪 | 3万5,191円 | 90万円~135万円 |
40坪 | 3万3,638円 | 120万円~180万円 |
50坪 | 3万3,605円 | 140万円~210万円 |
100坪 | 3万0,414円 | 250万円~400万円 |
また、地域別の解体費用と相場は、こちらをご参照ください。
木造住宅の解体費用項目
続いて、木造住宅の解体費用項目について解説していきます。
木造住宅の解体は、大きく分けて「仮設工事」「本体工事」「付帯工事・廃材撤去」の3つの工程に分けられます。
木造住宅の仮設工事
木造住宅の解体を安全に進めるため、まずは建物の周囲に仮囲いや仮設足場を設置する必要があります。
低層の木造住宅の解体現場は敷地が狭く、枠組み足場の設置が困難な場合が多いため、「くさび緊結式住宅工事用足場」が普及しています。
なお、小規模な木造住宅の解体では、丸太や単管による一側足場が見受けられます。これは解体足場ではなく、飛散防止用の仮設養生です。
また、解体する木造住宅の外壁などにアスベストが含有されている場合、撤去作業は幅40cm以上ある外部足場で行う必要があります。
木造住宅の本体工事
建築面積が小さい傾向にある木造住宅においては、機械解体ではなく「手作業分別解体工法」を採用するケースが多いです。
手作業分別解体工法で木造住宅の解体を行うことで、狭い敷地内で効率的に作業ができるほか、発生材のリサイクル等がしやすいメリットがあるためです。
ただし、基礎や土間コンクリートの解体を手作業で行うのは非効率であるため、一部の工程のみ小型の重機を用いる場合もあります。
また、木造住宅でも大規模な解体の場合は「手作業・機械作業併用分別解体工法」という機械解体を主とする工法を採用する場合もあります。
木造住宅の付帯工事・廃材撤去
木造住宅は、建築時と逆の順序で解体を進めていきます。
具体的には「建具・畳・設備機器等」「内装材・造作材・外壁等」「屋根葺き材・下地」「小屋組材・小屋梁」「桁・軸組材・床梁材」「土台」「基礎」の順に撤去を行っていきます。
柱、間柱、貫、筋交いを残した状態で一階から解体していきますが、解体中の建物が不安定にならないよう、進行にあわせて筋交いを補強することもあります。
解体後は廃材の運搬・処分を行いますが、特定建築資材である木くずとコンクリートは再資源化施設へ搬入します。
木造住宅の解体工事実例
構造に木造が用いられている建物は「住宅(平屋・二階建て)」「アパート」などが代表的です。
これらの建物にはそれぞれ特徴があるため、解体費用にも違いが見られます。
そこで、木造の平屋住宅・二階建て住宅・アパート、それぞれの見積り事例をご紹介いたします。
なお、ご紹介する見積りデータは、すべて解体無料見積ガイドを介して実際に行われた解体工事で、一般的な30坪前後の物件です。
埼玉県深谷市 木造平屋住宅 27坪
埼玉県深谷市にある27坪の木造平屋住宅の解体工事です。
平屋は二階建てに比べ基礎の面積が広く、木造住宅といえど基礎の撤去費用が高額になります。
構造 | 木造 |
---|---|
種別 | 住宅(平屋) |
階数 | 一階 |
総額 | 145万4,200円 |
千葉県八千代市 木造二階建て住宅 32坪
千葉県八千代市にある32坪の木造二階建て住宅の解体工事です。
この物件は築38年の空き家で、解体後は土地売却のため更地にしています。
残置物や植栽、ブロック塀の撤去などに費用がかかっています。
構造 | 木造 |
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種別 | 住宅 |
階数 | 二階 |
総額 | 167万円 |
千葉県香取市 木造平屋住宅 30坪
千葉県香取市にある30坪の木造平屋住宅の解体工事です。
土地を第三者に引き渡す計画があるため、樹木等の撤去は見積りに含まれていません。
構造 | 木造 |
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種別 | 住宅(平屋) |
階数 | 一階 |
総額 | 98万円 |
神奈川県川崎市 木造二階建てアパート 28坪
神奈川県川崎市にある28坪の木造二階建てアパートの解体工事です。
坪数は大きくありませんが、総額は180万円を超えています。
各部屋を仕切る壁や部屋の中の間仕切りなどが多いためか、内部造作の解体や廃材の処分費が高額です。
構造 | 木造 |
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種別 | アパート |
階数 | 二階 |
総額 | 187万円 |
木造住宅の解体費用に関わる特徴
最後に、木造住宅の解体費用に関わる特徴を確認していきましょう。
基本的に手作業での解体が発生する
木造住宅の多くは密集地・狭小地などに建てられており、解体の際に重機の侵入が難しいことがあります。
加えて、廃材の分別や再資源化を行う必要があるため、重機解体だけでなく、手作業での解体や仕分けが必要になります。
このような事情から、木造住宅の解体では手作業がメインになったり、手作業と重機解体を併用したりするケースがほとんどです。
手作業での解体は重機解体に比べ人件費が多く発生するため、手作業の割合が多い木造住宅では解体費用が割高になる場合があります。
木造住宅を対象とした補助金が活用できる
各自治体が設けている補助金は、適用条件に「木造住宅であること」が含まれているケースが多いです。
とくに、築年数の古さや耐震性の低さによって、周辺への悪影響が懸念される木造住宅を対象とした補助金が多い傾向にあります。
木造住宅の解体に補助金が適用となれば、解体費用を数万~数十万円ほど抑えられる可能性があります。
補助金の詳細は各自治体によって異なりますので、木造住宅の解体に補助金を利用したい方は各自治体のホームページを確認してみましょう。
基本的に布基礎であり、昭和40年以前であれば無筋コンクリートが主流
木造住宅は布基礎が主流で、なおかつ昭和40年以前に建てられた木造住宅は無筋コンクリートである場合が多いです。
布基礎はベタ基礎に比べて解体が容易で、無筋コンクリートは重機のバケットで簡単に壊すことができます。
基礎の解体にかかる費用がほかの構造と比較して安価なぶん、木造住宅の解体費用は高くなりづらい傾向にあります。
木造住宅の解体費用と相場についてのまとめ
木造住宅の解体工事は、解体工事で取り扱う構造の中で最もポピュラーです。
実際の解体費用を知りたい方は、解体業者に見積り依頼をしてみましょう。
相見積りを行いたい方は、「解体無料見積ガイド」へご連絡ください。お客様にピッタリの解体業者から最大6社同時に見積りが取れます。
また、お見積り以外でも解体工事の疑問やお悩みなどがあればお気軽にご相談ください。