解体工事の地中埋設物 不当な追加費用を避けるポイント

土中に埋まっているコンクリートやゴミのことを地中埋設物(地中障害物)と言います。地中埋設物なんてないよ…と思われるかも知れませんが、実際に建物の撤去工事をしていて地中埋設物が発見された、というケースは少なくありません。

地中に隠れているので建物の撤去工事をしてみないと判断がつきづらいものが多いため、事前の見積もり費用以外に地中埋設物の撤去にかかるお金が追加費用として発生します。撤去や処分が簡単なものは小額の費用で済みますが、地中埋設物の種類によっては数万から高額のものだと10万以上の撤去費用が発生します。

工事業者の中にはこの地中埋設物の撤去を利用して、不正に撤去費用を要求する悪徳業者が存在します。不当な追加請求を防ぐためにも、地中埋設物の種類と悪徳業者の手口を知った上で、安心して撤去工事を任せられる解体業者を選びましょう。

地中埋設物の撤去理由

チェック項目

予想外の出費となってしまう地中埋設物の撤去費用。見つかって焦ったり、知らないために悪徳業者に騙されることのないよう、地中埋設物について知っておくのが重要です。

なぜ地中埋設物が出てくるのか?

建物の撤去工事の手順として、建物の撤去工事を行った後に建物の基礎の撤去工事をします。基礎は家を支える為に、地中90センチ前後まで埋まっています。地中埋設物は基礎の撤去作業時に地中を掘り起こした際に発見されるため、撤去工事をしないと地中埋設物の有無が分からないのです。

写真のように地中深くまで掘ることで、初めて地中埋設物の有無が分かります。

地中埋設物

地中埋設物がある原因の一つに、以前の建物の工事がずさんであったことが挙げられます。昔の解体業者の中には撤去工事で基礎を掘り起こしてヘコみができた部分に、廃材処分料を安くする為に工事で排出されたゴミを埋めていた悪徳業者も存在しました。

基礎の撤去中に廃棄物が発見された場合は、通常施主の方へ報告をして撤去作業を行います。

撤去中の廃棄物

掘り起こしてみると残念ながら、大量の廃棄物が発見されることがあります。

大量の廃棄物

地中深くに廃棄物を埋めて大量の土を被せて、上から重機で圧力をかけるので地中に廃棄物が埋まっているのが表面上は分からなくなってしまうのです。その廃棄物が現在の撤去工事で発見されたというケースです。他にも昔の井戸が撤去されていなかった等が、地中埋設物が発見される理由として挙げられます。

地中埋設物を撤去する理由

ショベルカー

地中埋設物を取り除かないと、新築時の基礎の障害になったり、地盤が弱くなったりします。また撤去工事をした後に新しい家屋を建てる時、地中障害物をそのままにしておくと地盤が弱くなってしまいます。

土地を売却した後に地中埋設物が発見された場合、売却後の年数にもよりますが撤去費用は売り主の責任になります。実際に売却後に地中埋設物が発見され、トラブルや最悪の場合裁判に発展することもあります。

撤去工事で更地にはするけれど売却するわけではない場合、大きな地中埋設物が出てきても費用がかかる撤去は免れたいところです。しかし、現在は廃棄物に関する法律が厳しくなっているため、地中埋設物で廃材などが発見された場合はリサイクル法に沿った手順で廃棄をしなければなりません。

撤去工事で更地にした後売却する・しないに関わらず、地中埋設物は撤去する必要があるので、法律に定められている通りの廃棄物の処分を行う撤去業者を選ぶことが重要です。

地中埋設物の種類

地中埋設物

実際の建物撤去工事ではどのような地中埋設物が発見されるのでしょうか。

発見されることの多い地中埋設物

特に多い地中埋設物としては、ゴミ・コンクリートの塊・瓦など以前の工事で排出された廃棄物が挙げられます。

撤去工事や新築工事では、地中埋設物があるかどうかある程度の深さまで確認を行いますが、現在は住宅を建てる際以前より深い場所に基礎を作るため、人為的に埋められた廃棄物以外に、大きな岩や石が発見されることもあります。

大きな撤去費用がかかる地中埋設物

地中埋設物の中には、撤去費用が数万~稀に数十万かかるものも存在します。

古い建物の基礎・井戸・浄化槽・枡がその代表例です。

枡(ます)
枡は排水系の点検や清掃用に設けられている設備で、各配管(トイレや浴室、キッチン、雨樋など)に設置されています。敷地内や庭にコンクリートもしくはプラスチックの蓋があれば目視で発見できます。難しい場合は、建物図面で有無を確認します。

井戸などの地中埋設物があった場合は、撤去工事業者に下記写真のような見積書を出してもらうことがトラブルを防ぐ方法の一つです。井戸の大きさや条件によって撤去費用は大きく異なるので、一例としてご参照ください。

見積書

大きな撤去費用がかかる地中埋設物の実例

実際に撤去した浄化槽です。

浄化槽が条件の悪い場所にある、又は鉄筋コンクリート製の大きなサイズの浄化槽や複数の浄化槽があった場合、10万円前後の撤去費用がかかることもあります。

浄化槽

追加費用が発生した場合の注意点

地中埋設物の撤去など、後から発生した追加費用には正当な理由がある場合と、不当な請求の場合があります。トラブルを未然に防ぐために、気をつけるポイントをご説明します。

追加費用のトラブルは見積書と関係する

解体工事では、建物の下に隠れている地中埋設物の撤去費用を見積書に含める事ができません。現地確認をするだけではその発見が不可能だからです。

本来、解体業者はこれら地中埋設物の処分に関して、お客様に口頭や図面でもって確認を取ります。そして万が一、解体工事中に地中埋蔵物が発見された場合は、お客様に地中埋設物が出てきた旨の報告とその発生した事実の確認をしていただき、撤去方法や費用の相談を行います。その上で作業を進めます。

しかし、事前報告をせず作業が終わった状況で不当に高額な追加費用の請求をしたり、無いものをあったかのように追加請求をしてくるなど、悪質な請求事例も増加しています。

追加費用のトラブルを避けるためには、明細がはっきりわかる見積もりを書面で出してもらうこと、または出してくれる解体業者を選ぶことをおすすめします。

「解体無料見積ガイド」がご紹介する認定解体業者は、現地調査の上での見積もりに責任を持ち、不当な追加費用を請求しない業者です。工事後に追加費用を請求することはありませんので、安心してご依頼いただけます。

安心できる撤去工事業者の選び方

地中埋設物を撤去するという連絡もなく、後から高額な追加費用の要求をされたという被害も報告されています。

注意
「地中埋設物があったので撤去しました。追加費用として○万をお支払いください。」

こんなトラブルを避けるためにも、信頼できる解体業者を選ぶことが重要です。悪徳業者の手口を踏まえて、安心して撤去工事を任せられる解体業者の選び方を知っておきましょう。

追加費用を請求する悪徳業者の手口

地中埋設物が発見された場合、本来は「地中埋設物がありました」という報告をした後に撤去に取り掛かります。しかし、中には、地中埋設物が見つかっても報告せずに、撤去後に割増した費用額を追加費用として請求する悪徳業者も存在します。

さらに悪質な場合は、地中埋設物の偽造を行い、もともと地中埋設物があったように偽って撤去費用を請求してきます。

撤去工事前に安い金額を提示しておいて、工事後に理由をつけて不当な追加費用を請求する方法は、悪徳業者の手口の一つです。あまりに安い値段を提示する解体業者は、追加費用を請求する目的がある場合も考えられます。

地中埋設物を含めた不当な追加費用を防ぐ方法

言い争い

建物の撤去工事を依頼する前に受け取る見積書には、地中埋設物がある可能性と地中埋設物の撤去には追加費用がかかることが明記されていることが多いです。しかし「追加費用は別途」と書かれているだけで詳しい説明がない場合もあります。

見積もりの際には、地中埋設物があった場合、どのような対応を取り費用はどの位掛かるのかを聞いておきましょう。適切な料金で撤去が行われるように、工事の前に「地中埋設物があった場合は連絡を下さい」と予め話しておくのもポイントです。

また、もし撤去工事の最中に地中埋設物が発見された場合は、撤去にかかる費用の見積もりを出してもらい、実際に現場を見せてもらうか写真に残してもらうことで、不当な追加費用のトラブルを防ぎましょう。

追加費用を減らすために信頼できる解体業者選びを!

安心できる撤去工事業者を選ぶために、顔合わせの際などに見積書以外に下記の点にも注意することをおすすめします。

  • 建設業許可証または解体工事業登録を持っていること
  • 損害賠償保険に加入していること
  • マニフェストを発行してくれること

撤去工事業者のホームページを見ることや、直接解体業者に質問をすることで上記の点を確認することが出来ます。安心できる解体業者を選んで、撤去工事で起き得るトラブルを未然に防ぎましょう。

ショベルカー失敗しない解体業者の選び方!8つのチェックポイント

地中埋設物の撤去についてのまとめ

地中埋設物は実際に撤去工事をして、地中を掘り起こさないと判断ができないケースが多いため、撤去費用にまつわるトラブルが起こりやすいと言われています。地中埋設物の種類によっては、数万から数十万と高額な撤去費用が掛かることもあります。

追加費用を不当に請求してくる悪徳業者も存在しますが、施主と撤去工事業者の認識の違いにより追加費用のトラブルが発生する場合もあります。意思疎通のズレをなくすためには、撤去工事前に話をした上で、細かく何に幾らかかるかを明記した見積書を作成してもらいましょう。

地中埋設物の撤去費用を不当に請求される・見積もりと大幅なズレが出てしまう事のないよう、信頼できる解体業者を選び追加費用に関する話し合いをしておくことで、地中埋設物の撤去に関するトラブルを事前に防ぎましょう。

著者情報

解体無料見積ガイド

解体無料見積ガイド編集部

解体無料見積ガイド編集部は、建物の取り壊しを題材に独自のコンテンツを発信するオウンドメディアを運営しています。2011年の創業以来、10年以上にわたるサービス運営経験の中で培ったノウハウを凝縮し、役立つコンテンツを発信しています。

監修

中野達也

中野達也

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事
解体工事施工技士 登録番号:23130106
石綿作業主任者 修了証番号:13820
解体工事業登録技術管理者
公益社団法人 日本建築家協会(JIA)研究会員
一般社団法人東京都建築士事務所協会 世田谷支部会員

静岡県出身。日本全国の業者1,000社超と提携し、約10年間で数多くの現場に関与。自身でも解体工事業登録技術管理者としての8年間の実務経歴を持つ。専門家として、テレビ番組をはじめとする多数メディアに出演。これまでに一般家屋はもちろん、マンション、ビルなど様々な建物の取り壊しに従事し、工事を行いたい施主、工事を行う業者の双方に精通している。

出演メディア
めざまし8(フジテレビ系列)、ひるおび!(TBS系列)、情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)、バイキングmore(フジテレビ系列)、CBCニュース(CBCテレビ系列)他多数

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