賃貸契約していた店舗を解体する場合、どこまでの内装を取り払うかなど、あらかじめ貸主との間で取り決めた原状回復をしなければなりません。
解体費用の相場は、店舗で営業していた業種の違い、それに伴った店舗設備により変動します。
また、解体業者の専門技術にもバラつきがありますので、できるだけ費用を抑えたい方は複数の解体業者から相見積もりを取ることが有効でしょう。
この記事では、店舗の解体工事にかかる費用の例をいくつかご紹介します。
内装解体工事の見積もり例
貸主との間で、どこまで内装を取り払うか、などといった取り決めがあれば、解体方法も大方決まるかと思います。
原状回復と一言で言っても、入居前の状態によって様々なパターンがあります。
なかでも、基本的な2パターンの店舗解体工事の事例をご紹介します。
構造/地域 | 床面積 | 解体費用/坪単価 | 費用総額 |
---|---|---|---|
鉄骨造/東京都武蔵野市 | 17坪 | 30,911円 | 525,490円 |
坪単価とは、建物を取り壊す際にかかる費用の、一坪あたりの単価です。
東京都武蔵野市で行われた内装解体工事の見積もり例です。
ここでの内装解体工事は、壁などの仕上げ材のほか、照明や後付けの扉、間仕切りなどの装飾を解体して元通りにする作業になります。
工事の手続きや流れについてはこちらの記事も参考にしてください。
例えば飲食店と美容室で備品の種類が異なるように、オフィスの事業形態によって「内装」の中身は変わります。
そのため一概に広さだけで解体費用を把握することは難しいです。
また、前述のように、解体業者の経験やノウハウによって見積もりの金額に差異が生じます。
依頼主が工事費用を安く抑えるためには、あらかじめ複数の業者から相見積もりを取ることをお勧めします。
スケルトン解体工事の見積もり例
構造/地域 | 床面積 | 解体費用/坪単価 | 費用総額 |
---|---|---|---|
木造/東京都世田谷区 | 34坪 | 39,147円 | 1,331,000円 |
東京都世田谷区で行われたスケルトン解体工事の見積もりをご紹介します。
スケルトン解体とは、天井や壁の下地など、骨組み以外のすべてを撤去する方法です。
元から設置されている排気ダクトや電気設備なども撤去しますので、内装だけを解体する工事より作業量が増えます。
そのため、解体費用は高くなる場合が多いです。
スケルトン解体における注意事項は、解体する場所について、所有者との合意を工事前に得ることです。
建物の共有部分など「解体してはいけない部分」については、事前に共有することでトラブルを防げます。
内装解体の費用が高くなるケース
店舗の内装解体費用が事前の見積もりより高くなる理由として、以下のような理由があります。
室内残置物がある
解体する店舗にエアコン・冷蔵庫・洗濯機などの廃棄物があると、撤去と廃棄物処理に追加費用が発生します。
店舗解体費用を少しでも抑えるためには、リサイクルを利用するなどして、室内残置物を自分で撤去する工夫をしてみましょう。
室内残置物の撤去方法はこちらの記事にまとめています。
追加の解体工事が発生する
内装解体を進める工程で、壁の下地などを壊すスケルトン解体に切り替わる可能性があります。
これは現状復帰のために必要な作業であれば追加され、費用も増加します。
貸主・解体業者と解体する部分について、綿密な打ち合わせをすることが後々の費用トラブルを防ぐために大切です。
賃貸の場合は契約期限に気を付ける
賃貸契約で借りている店舗の場合、契約期間内に内装解体などの原状回復を行う必要があります。
工事が間に合わず期日を超過した場合は、違約金や追加の賃料支払いも生じるため、解体業者選びは余裕をもって始めることをおすすめします。
業者の選定・依頼・見積もり・契約・着工という流れになりますので、1ヶ月程度は見積もっておきたいところです。
建物自体を解体する費用について
住居兼店舗にしている場合など、所有者が建物ごと解体する場合は、建物の構造や条件によって必要な解体費用が変わります。
構造ごとに必要な費用をまとめた記事を参考にしてみてください。
まとめ
店舗の解体工事は、あらかじめ必要な費用を把握しづらい工事です。
かかる費用を抑えたい方は、複数の解体業者から見積もりを取ることをおすすめします。
解体業者の選定期間は1ヶ月程度の余裕を持ち、事前に廃棄物の処分をしておくなどの工夫も効果的です。
賃貸契約の場合、契約期限について事前に確認して、解体業者に伝えるようにできるとスムースに工事が進むでしょう。