内装解体工事の費用相場

内装解体工事の費用相場

事務所や店舗の移転・閉店に伴い、借りていた物件を返却する際には、内装解体工事を行い、物件を「借りた当初の状態」に戻さなければなりません。しかし、内装解体についてあまり知識がない中で解体業者を選んだり工事を進めたりするのは不安が大きいですよね。

そこでこの記事では、内装解体の構造別の費用相場や、費用の内訳内装解体の流れなどについて詳しく解説していきます。

内装解体工事を検討されている方は、ぜひ本記事を参考になさってください。

構造別の内装解体費用相場

事務所や店舗などの内装解体にかかる費用や作業日数は「内装の構造」や「解体工事にかかる手間」などによって変動します。つまり、事務所や店舗の内装が凝っていると、それだけ作業が長引くため人件費がかかり、結果として解体費用が高くなるのです。

しかし、ある程度は相場が決まっている部分もあるため、構造別の内装解体の費用相場や平均作業日数について、下記の表にまとめてみました。

建物の構造
(坪数)
入居目的 内装解体の費用相場 平均作業日数
S造、RC造、SRC造
(30~50坪)
美容院 8,000円~/㎡ 2週間
マンション 10,000円〜/㎡ 5日~1週間
オフィスビル・店舗 10,000円〜/㎡ 1週間~10日
居酒屋 15,000円〜/㎡ 3週間

S造…鉄骨造、RC造…鉄筋コンクリート造、SRC造…鉄骨鉄筋コンクリート造

この表から、美容院の解体費用相場時は安く、居酒屋の解体費用相場が高いことが読み取れます。

美容院の解体費用相場が安い理由としては、一般的に美容院は間仕切りが少ないなど内装の造りが単純なところが多いからです。ただし、シャンプー台やスタイリングチェアなど美容院ならではの設備も多いため、廃棄する設備が多い場合は処分費用が高くなり解体費用の高騰に繋がります。

一方、居酒屋の解体費用相場が高いのは、個室や小上がりがあったり厨房・排気ダクトなどの設備があったりと内装が凝っている場合が多いからです。内装が凝っていると解体にかかる手間が増え、作業員の人件費が上乗せされるため、解体費用が高くなるのです。

ほかに解体費用が高くなる要因
・エレベーターを使用できない・店舗前にトラックを駐車できない場合
マンションやオフィスビルの解体で、エレベーターが使えず解体で発生した廃材を階段で運搬しなければならない場合や、店舗前にトラックを駐車できなくて廃材を運搬する距離が長くなる場合は、それだけ作業が長引くため、作業員の人件費が上乗せされて解体費用が高くなります。

・同じフロアや上下のフロアの事情で日中に解体作業できない場合
解体現場と同じフロア、もしくは上下のフロアに歯医者や耳鼻科などのクリニックが入居している場合、解体で発生する振動で治療ミスが起きないよう、クリニックの診療時間外に作業を進める必要があります。また飲食店がテナントとして入居している場合も、ランチタイムなどの混み合う時間帯を避けて作業する必要があります。その結果、早朝・深夜帯の作業をすると、作業員の夜間手当・早朝手当が必要となるため通常の1.5~2倍の解体費用がかかります。

上記でご紹介した以外でも、内装解体の費用相場はさまざまな要因によって変動します。
そのため、実際に内装解体工事を依頼する前には、必ず複数の解体業者から見積りを取り、費用や作業日数について十分に確認するようにしてください。

内装解体工事の見積もり事例

美容院、マンション、オフィス(店舗)、居酒屋のそれぞれの入居目的ごとの見積り事例をご紹介します。

美容院

建物の構造 RC(鉄筋コンクリート)
階数 2階
坪数(㎡) 14.5坪(47㎡)
建物解体費用 70万1,400円
総額 77万円
品名 数量 単位 単価 金額
養生費 1.0 15,000 15,000
内装造作解体 48.0 3,500 168,000
入口廻り撤去 1.0 5,000 5,000
什器棚撤去解体 1.0 18,000 18,000
2次側設備器具撤去 48.0 800 38,400
発生材積込小運搬費 16.0 4,500 72,000
発生材運搬費 16.0 2,500 40,000
発生材処分費(混合) 16.0 16,000 256,000
既存残置物撤去費用 1.0 40,000 40,000
道路使用申請 1.0 15,000 15,000
歩行者誘導員 2.0 17,000 34,000
諸経費 70,140円
値引き -1,540円
合計金額 770,000円

入居目的別にかかりやすい費用

美容院の内装解体は、シャンプー台やスタイリングチェアといった美容院ならではの設備の撤去費用がかかる点が大きな特徴です。

処分が必要な設備がたくさんある場合は、それらを処分してもらうための「残置物撤去費用」が高くなります。そのため、解体費用を少しでも抑えたい場合は、自分で処分したり買取業者に買い取ってもらったりするのがオススメです。

マンション

建物の構造 RC(鉄筋コンクリート)
階数 4階
坪数(㎡) 24坪(80㎡)
建物解体費用 84万9,415円
総額 151万8,000円
品名 数量 単位 単価 金額
養生 1,0 30,000 30,000
天井解体 77.9 1,000 77,900
間仕切り解体 92.2 1,200 110,640
付加し壁解体 116.0 1,300 150,800
上げ床解体 77.1 1,200 92,520
玄関タイルはつり 0.8 1,500 1,155
UB解体 1.0 23,000 23,000
キッチン解体 1.0 20,000 20,000
洗面化粧台 便器 洗濯パン撤去 1.0 15,000 15,000
不要給水管撤去 1.0 20,000 20,000
不要電線撤去 1.0 30,000 30,000
不要ダクト撤去 1.0 18,000 18,000
収納棚板撤去 1.0 5,000 5,000
床暖房解体 22.0 700 15,400
解体材搬出積み込み費 30.0 8,000 240,000
産廃処分費(ボード) 7.0 20,000 140,000
産廃処分費(混廃) 4.0 15,000 60,000
産廃処分費(木) 8.0 6,000 48,000
産廃処分費(廃プラ) 4.0 15,000 60,000
産廃運搬費 8.0 22,000 176,000
諸経費 50,000円
値引き -3,415円
小計 1,380,000円
消費税 138,000円
合計金額 1,518,000円

入居目的別にかかりやすい費用

リフォームをするにあたってマンションの内装解体(スケルトン解体)を行う場合は、キッチン・バス・洗面台をはじめとする水回りを含む大規模な解体工事が必要となります。

オフィスビル・店舗

建物の構造 その他
階数 2階
坪数(㎡) 42坪(140㎡)
建物解体費用 176万200円
総額 286万円
品名 数量 単位 単価 金額
搬出用資材 1 30,000 30,000
工事用資材 1 30,000 30,000
養生 1 12,000 12,000
消耗品 1 30,000 30,000
インフラ切り離し 電気 1 50,000 50,000
インフラ切り離し ガス 1 20,000 20,000
インフラ切り離し 水道 1 15,000 15,000
フロンガス回収 1 40,000 40,000
天井ボード撤去 140 1,800 252,000
天井設備撤去 140 900 126,000
外周壁撤去 129 1,800 232,200
上床撤去 140 2,800 392,000
造作物撤去 1 90,000 90,000
間仕切り壁撤去 1 90,000 90,000
風呂・トイレ撤去 1 80,000 80,000
設備配管撤去 1 120,000 120,000
キッチン撤去 1 30,000 30,000
室外機撤去 1 50,000 50,000
1F残置物撤去 7 4,000 28,000
1Fアルミ門扉撤去 1 40,000 40,000
同上発生材小運搬 46 5,000 230,000
木くず 15 8,000 120,000
混合廃棄物A 13 15,000 195,000
混合廃棄物B 4 25,000 100,000
廃プラスチック 8 20,000 160,000
廃石膏ボード 6 24,000 144,000
引き取り運賃 10 10,000 100,000
諸経費 80,000円
値引き -286,200円
小計 2,600,000円
消費税 260,000円
合計金額 2,860,000円

入居目的別にかかりやすい費用

オフィスビル・店舗の内装解体では、キッチン・風呂・トレイなどの水回りの解体工事が必要になる場合があります。また、店舗で使用していたカウンター・棚・設備などがある場合は、それらの解体・撤去費用も必要となります。

居酒屋

建物の構造 RC(鉄筋コンクリート)
階数 4階
坪数(㎡) 43坪(142㎡)
建物解体費用 305万円
総額 368万5,000円
品名 数量 単位 単価 金額
内装造作解体 142.0 6,000 852,000
厨房撤去 18.0 13,500 243,000
トイレ床はつり 1.0 140,000 140,000
養生費 1.0 15,000 15,000
椅子 テーブル 什器撤去 1.0 60,000 60,000
発生材積込小運搬費 55.0 6,000 330,000
発生材運搬処理費(混合) 55.0 18,000 990,000
既存ゴミ処理費 1.0 60,000 60,000
道路使用申請費 1.0 10,000 10,000
歩行者誘導員 15.0 18,000 270,000
GT清掃費 1.0 80,000 80,000
諸経費 305,000円
値引き -5,000円
小計 3,350,000円
消費税 335,000円
合計金額 3,685,000円

入居目的別にかかりやすい費用

居酒屋は個室・小上がりがあったり、厨房・無煙ロースター・排気ダクトなどの設備があったりと、内装が凝った造りになっていることが多いです。そのため、それらの解体・撤去費用がかかり解体費用が高くなる傾向にあります。

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内装解体に共通する費用の内訳

次に、内装解体における費用の内訳について解説します。

一口に解体費用と言っても、内装の解体費用以外に「室内残置物処分費」「撤去費」「養生費」といった付帯工事費が別途かかることがあります。

思わぬ出費に驚いてしまうことがないよう、事前にしっかり確認しておきましょう。

室内残置物処分費

室内残置物とは、建物内に残された設備や私物のことです。以下の表のように、大まかに4種類に分別できます。

日用品 可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミなど
粗大ゴミ テーブル、椅子、キャビネット、本棚、暖房器具、掃除機など
家電4品目 エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機
パソコン ノートパソコン、デスクトップパソコン

これらの残置物の処理を解体業者に依頼すると、解体業者が「産業廃棄物」としてお金を払って処分しなければならなくなるため、自分で処分するよりも費用が割高になってしまいます。

そのため、少しでも内装解体費用を抑えたい方は、以下の記事を参考にして残置物を自分で処分してみましょう。

残置物 残置物の処分は?解体工事の前に今からできる節約術

撤去費

撤去費とは、事務所や店舗の内装以外のものを解体・撤去する際にかかる費用です。
例えば、以下のものを撤去する場合に必要となります。

  • 事務所や店舗の看板
  • 敷地内に植えられている樹木
  • 敷地内に置かれている物置
  • 屋根などに取り付けられた太陽光パネル

上記以外でも、内装以外のものを撤去する際には費用がかかる可能性があるため、必ず見積りを取る際に解体業者に確認しておきましょう。

養生費

養生とは、解体による騒音や粉塵(チリやホコリ)の飛散を防ぐために、ビニールなどで囲いを設ける作業のことです。特に近くに飲食店がある場合は、チリやホコリが舞ってしまうと多大な迷惑をかけてしまうため、入念な対策が必要です。

また、解体業者の出入りや廃棄物の搬出で建物のエントランスホールやエレベーターを利用する場合には、共有部分にも傷をつけないよう保護するための養生を施します

このように養生費は、近隣の方とのトラブルを防ぐために、非常に大切な費用となります。

内装解体費用を抑えるポイント

内装解体費用は一律ではなく、それぞれの業者ごとに見積り金額は異なります。さらに、ビルを管理している不動産会社を仲介して解体工事を依頼した場合は、別途中間マージンが発生する場合もあります。

中間マージンとは?

不動産会社は、内装解体工事を自社で行うわけではありません。実際に工事をするのは、下請けの解体業者となります。このとき、不動産会社から下請けの解体業者に工事を斡旋するときに上乗せされる手数料のことを「中間マージン」と言います。

中間マージンが上乗せされることで、解体費用は20~30%ほど高くなると言われています。

解体工事費用 費用を抑える

つまり、内装解体費用を少しでも抑えるには、中間マージンが発生しないよう不動産会社を介さずに直接工事を依頼することが大切です。

内装解体の流れ

無事に解体業者が決まり、物件内に残っている不用品も処分し、必要に応じてライフライン(水道・ガス・電気・電話など)が停止できたら、いよいよ工事開始となります。

内装解体工事は「①足場・養生の設置」→「②内装材の撤去」→「③床材撤去」という流れで進められます。以下で具体的に説明していきます。

内装解体の手順 内装解体の手順と工事の流れ、解体前から解体後まで解説します!

①養生・足場の設置

養生

まずは解体する事務所・店舗の養生をしていきます。無事に養生ができたら、建物内にある不用品(室内残置物)の撤去や搬出を行います。また、天井部分までしっかり解体するため、足場も設置していきます。

②内装材の撤去

内装解体

養生の設置が完了したら、壁材・天井材・ドア・電気配線といった内装材を撤去していきます。次のテナントでも使用することが決まっているものなど、処分しないものに関しては、傷がつかないよう慎重に保管しておきます。

③床材撤去

斫り

内装材が撤去できたら、最後にタイルなどの床材を下地から剥がしていきます。

床材は手で剥がすことが難しいため、専用の工具を使用します。しかし、この作業にはかなりの騒音や振動が発生するため、近隣の方の迷惑にならない時間帯に作業する必要があります。

アスベスト対策について

古い店舗やマンションだと、壁材や天井材にアスベストが含まれた「ケイ酸カルシウム板第一種」「ロックウール吸音天井板」「石膏ボード」「スレートボード」が使用されている場合があります。

もし壁材や天井材にアスベストの含まれた建材が使われていた場合、解体時は周囲にアスベストが飛散しないよう、作業員は防塵マスクをつけて閉め切った状態でアスベストを手壊しで除去していきます。

アスベストが含まれることが多い素材

・ケイ酸カルシウム板第一種

厚さ4mm~10mmと、比較的薄くて重いのが特徴。内装ボードや天井材に使用されることが多い。

・ロックウール吸音天井板

ロックウールを原材料とした、吸音性の高い不燃材。天井や軒天井に使用されることが多い。

・石膏ボード

防火性・耐火性、遮音性、寸法安定性、工事の容易性に優れている。天井や壁に使用されることが多い。

・スレートボード

セメントと繊維を混合してできた素材。建物の天井や壁に使用されることが多い。

「アスベストが使われているかもしれない」「アスベストが使われているかどうか分からない」という場合は、ぜひ私たちの運営する「解体無料見積ガイド」にご相談ください。

目視でアスベストが使われているかチェックして、使われている場合は適切な除去処理が可能な「一般建築物石綿含有建材調査者」の資格を有している解体業者をご紹介させていただきます。

またご相談の際は、店舗の内装を造った際の図面などがあれば「どんな材木を使用しているか?」が分かるため、事前に用意していただけるとスムーズです。

内装解体の種類によって作業工程も変わる

内装解体工事には、大きく分けて「スケルトン工事」「原状回復工事」の2種類があります。

スケルトン工事とは

スケルトン工事

建物の骨組み以外の内装部分をすべて解体する工事のことです。

天井、床、仕切り、電気配線などもすべて取り払われ、鉄筋コンクリートのビルであれば「コンクリート打ちっぱなし」の状態になります。

一般的に、飲食店や美容室などの店舗を借りる際には、スケルトンの状態で契約を結ぶことがほとんどです。そのため、店舗を返却するにあたってはスケルトン工事を施工しています。

原状回復工事とは

原状回復工事

物件を借りた当初の状態に戻す工事のことです。

もしも飲食店や美容室などの店舗のように、借りた当初の状態がスケルトンであれば、スケルトン工事を行ってスケルトン状態に戻すこと=原状回復工事となります。

しかし、オフィス(事務所)を借りる際は、床や壁、ドアなどが最初からオフィス仕様となっていることが多いです。その場合は、借りた当初のオフィス仕様の状態に戻すこと=原状回復工事となります。

なお、原状回復工事に比べてスケルトン工事のほうが、床や天井などを解体した際の廃材が増える分、費用は割高になります。

「本当はスケルトン工事をしなければならないのに、確認不足で原状回復工事をしてしまった」など、間違った工事をしてしまうと、貸主(オーナー)との間にトラブルが生じてしまいます

そのため、実際に内装解体工事を進める前には、しっかり貸主と打ち合わせをしておくことが大切です。

まとめ

この記事では、内装解体工事の費用相場や費用の内訳、工事の流れについてご紹介しました。

内装解体の費用は「残置物がどのくらい残っているか?」「スケルトン工事をするのか?原状回復工事をするのか?」などによって異なります。

また同じ工事をする場合でも、それぞれの解体業者によって見積り金額が異なる場合もあります。

そのため、まずはご自分の物件をどの程度解体するか確認し、不用品を処分していきましょう。その後、複数の解体業者から相見積もりを取り、見積り金額が低く、信頼できそうな業者を選べば、後悔の少ない内装解体工事が行えるはずです。

もしも「プロの目線でおすすめの内装解体業者を選んでほしい」「自分で複数の業者に相見積もりを依頼するのは大変だ」という場合は、ぜひ私たちの運営している「解体無料見積ガイド」を利用してみてくださいね。

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